続いて、男性アンケートで148票を獲得し、2位にランクインしたのが『下町ロケット』(TBS系)だ。父が残した町工場を継ぎ、妻と離婚した主人公・佃航平を阿部寛、一人娘の利菜を土屋太鳳が演じた。

『下町ロケット』で父と娘を演じた阿部寛と土屋太鳳
『下町ロケット』で父と娘を演じた阿部寛と土屋太鳳
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 池井戸潤氏の小説をドラマ化した同作は、倒産寸前の町工場が舞台の“お仕事ドラマ”であり、男性ファンも多い。父娘要素も盛り込まれているため、アンケートでは“モーレツ社員世代”から「『パパ、私のことしっかり見ててよね』との娘の訴えを仕事上の課題解決につなげてしまう仕事バカの父親が印象的だった」(神奈川県・68歳・男性)、「父を尊敬している娘の姿が素敵だった」(北海道・62歳・男性)とのコメントが多く並ぶ。

「『下町ロケット』の父娘は、あくまでサブストーリーですが、娘の利菜も父と同じ技術者の道に進みますよね。父の意志を娘が継ぐ、というドラマに心をつかまれた男性も多かったようです」(山崎さん)

 実際に「父の背中を見て育った娘が、同じ技術者を目指す関係性にグッときた」(香川県・70歳・男性)との声も。『下町ロケット』には、働く男のロマンが詰まっている。

自分を投影しやすい作品に心惹かれる

 女性ランキングで1位に輝いたのは'19年放送の『監察医 朝顔』(フジテレビ系)。同名漫画が原作の『朝顔』は、父娘の切ない過去が物語の核となっている。東日本大震災で母を亡くした法医学者の娘・万木朝顔(上野樹里)と、妻の遺体を捜す刑事の父・平(時任三郎)のふたりが、さまざまな事件を通して遺体の「生きた証」を探るストーリー。第2シーズンでは平が認知症を患ってしまい、娘家族の助けを借りながら生活する姿も描かれる。

ドラマ『監察医   朝顔』制作発表会見
ドラマ『監察医   朝顔』制作発表会見

 重いテーマを扱っているため「認知症になった父のために何ができるのかを模索しながら、監察医として頑張る朝顔の姿に涙」(愛知県・67歳・女性)、「被災や親の認知症など、誰にでも起こりうる題材が心に刺さった」(滋賀県・52歳・女性)との声が多くあがった。女性視聴者は、父娘ドラマの娘役に自らを投影するのかもしれない。