目次
Page 1
ー 兵役はメンバーとファンとの絆を試す試練
Page 2
ー 貯金を取り崩して推しと同じヴィトンを購入
Page 3
ー 韓国スターの最新兵役事情

 韓流ファンにとって最大の試練は、推しが兵役のため活動休止してしまうこと。約1年半も会えない寂しさは相当なものだけど、戻ってくるのを待ちながら楽しむ推し活=待ち活でロスを乗り越えたお役立ち(?)体験談を強者ファン3人が告白

兵役はメンバーとファンとの絆を試す試練

 K-POPアイドルや韓国の俳優が好きな人にとって、推しが兵役に行ってしまうことは哀切極まりない。それはまるで遠距離恋愛や単身赴任のようで、遠く離れた恋人や家族を待つことを彷彿とさせる。

 約550日もの間、推しに会えないロスは大きいが、あるアイドルグループのメンバーはこんな“名言”を残したという。

「兵役はメンバーとファンとの絆を試す試練」

 推しが戻ってくるのをただ黙って待つのではなく、さまざまな「待ち活」で寂しさを紛らわせ、新しい世界を知った人たちの体験とは─。

 もともと音楽が好きで、ジャンルを問わずに聴いていたリンコさんだが2000年代の初め、東方神起が現れたときの衝撃は忘れられないと話す。メンバー全員が歌うま、ダンスうま、ルックス&性格よし! 一気に沼にハマってしまったという。

「最初に好きになったのが東方神起です。デビューからすごい人気でしたし、魅力もすごかったし、ハマらない要素がなくて。なので、最初に兵役のニュースを聞いたときの私のロスっぷりは、重症でした。軍隊に行く推しを見送るのは初体験でしたので、どうしていいかわからず。毎日どうしようとオロオロするばかりで、どんなときでも自然と涙がポロポロと……。家族や友人だけでなく、職場の人も心配するほどでした

仏様の下絵を筆ペンでなぞり描きすると、ざわつく気持ちを静める効果が
仏様の下絵を筆ペンでなぞり描きすると、ざわつく気持ちを静める効果が

 そう語るリンコさんを救ったのが、写仏だったという。

これでもやって気を落ち着かせなさい!と友人から贈られたのが写仏キットです。ボロボロの私を見ていられなかったのでしょう。キットには、模写の見本になる仏様が20体ほど入っていて、ひと月に1体、なぞり描きして仕上げるというものでした。気持ちが静まっていれば迷いのない線で描くことができるのですが、1体目の仏様はガタガタ(笑)。

 それぞれの仏様には御利益があって、またそれが慰めにもなりました。薬師如来は衆生の病気や患いを救う仏様なので、私の恋煩いも救われた気がしましたね。さまざまな煩悩を鎮める仏様を20体仕上げたのが約2年後、ちょうど推しが除隊するタイミングで待ち活に最適でした。完成した絵は可愛いファイルに入れてあります。

 以来、他のK-POPグループにもハマって、何人かの兵役を見送っていますが、やっぱり1人目の喪失感がいちばん大きかったですね」

 写経が心の安定につながることは知られているが、写仏もなかなかよさそうだ。好きな音楽への愛も深まったと、リンコさんは微笑む。