企業は続々と対策を導入

 この動画が拡散されると、ネット上では、

《これは明らかにカスハラだろ》

《万博にまでカスハラする奴いるんだ……》

《何があったかわからないけど、土下座を強要したとしたらカスハラにあたるのでは?》

 などの声が殺到。

ネット上で拡散されている、腕を組む男性客に土下座する大阪万博の警備員の動画(Xより)
ネット上で拡散されている、腕を組む男性客に土下座する大阪万博の警備員の動画(Xより)
【写真】腕を組み、怒鳴りつけ…警備員に土下座させる男性客の衝撃動画

 条例によると、カスハラをおこなった客に対しては悪質性に応じて出入り禁止措置などがとられるという。過去には、“土下座の強要”で逮捕された事例も。2025年2月、福岡県の家電量販店で店員に土下座をさせたとして男が逮捕されている。この男の場合は店員へ暴力団の存在もほのめかしていたため、土下座だけでの逮捕ではないのかもしれない。しかし、警察に対して「土下座を強要していない」と容疑を否認しているのを見ると、逮捕の決め手として土下座も重要な要素のひとつになっているようだ。

 また、独自にカスハラに対する方針を決めている企業も多い。2024年には全日空と日本航空が共同でカスハラへの対応方針をまとめて発表。警察への通報なども含め、毅然とした対応を取る姿勢を明確にしている。なお、2023年度にこの2社が把握した事例はおよそ600件以上にも上るという。

 ほかにも、コンビニ業界ではローソンが店員の名札を実名ではなくイニシャルでもOKにしたり、ファミリーマートでは“偽名”の表記も可能とするなど、続々と対策が取られている。

 10月まで続く大阪・関西万博。会場でも何らかのカスハラ対策は必要かもしれない。