巣鴨でおばちゃんに声をかけられて…
今では数々の舞台で存在感を示し続けている松岡だが、若いころは「舞台はやらない」と周囲に宣言していたという。
「僕はとにかく有名になりたかったんです。有名になれるなら、歌手だろうが役者だろうがタレントだろうがなんでもよかった。
でも舞台だと、観てくれる人数が限られるじゃないですか。だから“テレビに出たい、舞台は出ない!”って言っていました。街を歩いていて、知らない人たちから“松岡くんじゃない?”って騒がれるようになってから舞台に出るって決めていたんです。
それで24歳のとき、巣鴨でロケをやっていたら、おばちゃんたちに“松岡くーん!”って言われて。その後にすぐ、“舞台やらせてください!”って言いました(笑)」
それからコンスタントに舞台に出続けている理由は?
「“ライブ”というものが好きなんです。それと、ちょっとだけカッコいいこと言うとすれば、芝居を偏らせたくないからです。映像だけやると芝居が映像の芝居になるし、舞台だけやると舞台の芝居になっちゃうんです。
映像も舞台も影響し合うので、自分の芝居を偏らせないように数年に1度は舞台に出させてもらっています」
『ミタゾノ』を舞台化するにあたって特に気にかけているのは「ドラマのファンがどう思うか」という点。
「テレビで観て感じるものと、生で感じるものって違うと思うんです。
その違いを受け入れてほしいとまでは思わないけど、観た人に“やっぱりドラマのほうが良かったね”とは思われたくない。“舞台も面白いね”って言わせないといけない。それができないなら、舞台化なんてやっちゃいけないと、僕は思っています。
“ドラマのほうが良かった”と言わせないために、僕らがどういうものをご用意できるかが勝負だと思います」
そう力強く語った松岡。稽古が始まって1週間ほどたったところだという。
「稽古では、バラバラなキャラクターをひとつの鍋に入れて調理して、はたしてうまくなるのか?みたいな駆け引きをやっているところ。闇鍋みたいなキャストですから(笑)。
それが終わってから、塩・こしょうをしていこうと思っています。まだ味つけはしてないんです」
一体どんな料理ができたのか、劇場で味見しなきゃ!
家庭の問題をスッキリ一掃するミタゾノ。松岡さんの気持ちを“スッキリ一掃”するものは?
何があってもどんな気持ちでも、家に帰って犬がいればなんとかなるかな。香水を買うときって、テスターを嗅ぎ続けて鼻がバカになってくるとコーヒー豆の香りを嗅ぐじゃないですか。僕にとっての犬がそれと同じ。明日の仕事や次の作品に向けて自分をリセットして、ニュートラルにしてくれる存在です。
老舗温泉旅館が舞台。お風呂のこだわりは?
たとえ真夏でもシャワーで済ませずに、絶対に湯船につかることです。そうしないとバテちゃうから。湯船ではテレビを観ながら、15分くらいつかってます。
『家政夫のミタゾノ THE STAGE レ・ミゼラ風呂』東京(5月16日〜)、大阪(6月13日〜)、石川(6月21日〜)、愛知(6月28日〜)、広島(7月5日〜)、宮城(7月12日〜)にて公演