バツイチ同士で再婚
拓也さんは文字どおりゆかさんに“一目惚れ”したそう。
「後から話を聞くと、とにかくかわいくて、顔がタイプだったと(笑)。夫はハンディキャップがありながらもPCの操作ができれば健常者と同じように働けると、自らIT関連の会社を経営していて。看護をしながら話を聞くうちに、とても尊敬したんです。彼はとても聞き上手なのもあり、たくさん話していくうちに、自然と仲も深まっていきました」
ただ、当時ゆかさんは転職したての不安定な時期。
「もともと大学病院の小児科ナースとして働いていましたが、モラハラ気質だった元夫との離婚を決意して、まだ小さい一人娘を働きながら育てるために時間の融通が利く訪問看護師になろうと転職して。今の夫を看護し始めたときは、まだ職場にも慣れていないタイミングで……」
思いを胸に秘めていた拓也さんだが、やがてゆかさんが離婚したと知るとすぐに交際を申し込んだ。
実は拓也さんもバツイチ。3年間交際した女性と結婚したものの、24時間毎日介助が必要な生活を受け入れてもらえず、同居して1か月で離婚。「もう、結婚はいいかな」と思っていた矢先、ゆかさんが現れたのだ。
「正直、障害のある方と付き合うなんて考えたこともなかったし、不安がなかったと言ったら嘘になります。ただ、その不安すらも吹き飛ばしてくれるほどの、ポジティブさが彼にはありました。自分を雇用してくれる会社がないならつくればいいと、社長として奮闘しているその姿にすごく感動したし、何より一緒にいて楽しかったので、お付き合いしましょうと」
交際中は、ヘルパーさんとゆかさんの娘を含めた“4人デート”が定番。外食に出かけたり、プラネタリウムを楽しんだり。普通の幸せをゆっくり育んできた。
「いつも優しくて、穏やかで、娘もすぐに懐いたんです。それが結婚の決め手でした」