原口あきまさがものまね賞レースをやんわり避けている理由
ーーその一方で、テレビでは様々なコンセプトのものまね番組が増えています。皆さんから見て、時代の変化を感じることはありますか。
ホリ:最近は、ものまね番組の系統が変わったよね。
原口:僕は、対戦形式のものまね番組が増えた6~7年前ぐらいから、あまりテレビ出なくなりましたね。ものまねって歌やしゃべりと色々とカテゴリーがあるので明確な審査基準もなければ、好き嫌いが分かれることも多い。だから審査員も点数をつけづらいだろうし、演者も自由に楽しめないというのがあって窮屈だなと。
フジ(テレビ)の『ものまね王座決定戦』みたいに、歌ネタのジャンル限定であれば比べやすいし、お祭り感もあって盛り上がるんですけどね。あとは審査員がプロの方々で、正当に評価してもらえてれば納得できるんですけど……。
ホリ:このまえ某番組にコロッケさんが出てた時、審査員が若いモデルの子で、絶対ものまねに疎い雰囲気なのね。それで高得点つけて「よく分かんないけど面白かったです」ってコメントしててさ、もうカオスだよね(笑)。そういう意味では点数はつけない方がいいと思いますよ。
ミラクル:私は勝ち負けあるとつい見ちゃうタイプですけど、演者はしんどいですよね。
ホリ:対戦形式にして、フックをつけたがる制作側の事情も分かるけどね。生放送なら現場の温度感も伝わると思うけど、後から編集されるうえプロデューサーの方々に指示出されちゃうと、やりたいようにできないジレンマを抱える芸人は多いのかなと。
原口:たしかにものまね芸人って立ち位置が特殊ではあるよね。みんな芸歴もあってクオリティ半端ないプロも多いけど、一方で素人が優遇されている風潮もあるし。なかなか難しいところではあるよね。
ーー強いて言えば、最近で面白いと感じるものまね番組はありますか?
原口:TBSの『俺にアイツを歌わせたら右に出るものはいない』は歌ネタ限定だし、審査員がアーティストだから新しいよね。あとはテレ東の『ものまねランキング』も、まずMCがものまね好きな出川さんだから現場がホーム。そういう意味ではコンセプトが新しい番組もある。
ミラクル:『水曜日のダウンタウン』の「先生のものまね、プロがやったら死ぬほど子供にウケる説」も面白かった!ものまね芸人はステージに立ってネタを披露する以外は、芸能人にものまねを教えることくらいしか需要がないのかなと思ってましたけど、まだまだ良い企画を考えてくれてる方がいると思うと燃えますね。
原口:面白い企画だとこちらも気合入って、いまだにムキになることもありますよ(笑)。制作側が上手にものまね芸人の特徴を生かしてくれているなと感じる瞬間もありますね。