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ー 角界から退く白鵬に嘆きの声

 元横綱の力士・白鵬として活躍し、2021年の9月場所で現役を引退した宮城野親方が相撲協会に退職届を提出したと報じられた。6月2日の臨時理事会で協議される見通しだが、宮城野親方の決意は固く、退職は決定的とされている。

角界から退く白鵬に嘆きの声

 退職へ至る背景をスポーツ紙記者はこう解説する。

「宮城野親方は引退後、宮城野部屋を率いていましたが、2024年1月に弟子の暴行問題が発覚し、コンプライアンス委員会の聴取を受けました。親方と同じくモンゴル出身の北青鵬が別の力士に暴行をはたらいていたことが発覚し、北青鵬は引退。

 宮城野親方も『師匠の素養、自覚が大きく欠如している』として相撲協会の委員から平年寄への2階級降格、3ヶ月の20%の減給処分とともに、宮城野部屋自体も所属する伊勢ヶ濱一門へ無期限の預かりとなりました。

 宮城野親方としては部屋の再興の見込みが立たず、さらに現役時代の成績が自分より格下の照ノ富士親方の元で親方業を続けることに嫌気が差したのではと言われています」

 この決断にネット上では嘆きの声も少なくない。

《貴乃花、朝青龍、白鵬と一時代を築いた横綱を引退後協会に残せず流出させてしまうのは、協会のガバナンスがまったくなってないということ》

《宮城野親方の所業を擁護するわけではありませんが、協会が事実上「追い出す」方向に動いたように感じられてなりません。特に、引退後の外国人元力士への対応が厳しく感じられるのは、私だけが感じていることではないと思います》

《イジメとも言われているけど、ちょっと相撲協会は排他的過ぎるよね。確かに現役の時の振る舞いとかを見ると疑問もあったけど、この一年はあれだけの実績のある横綱がよく我慢してたと思う》

 嘆きと同時に、違和感を感じる声も多く集まった。こうした声が相次ぐ理由は、新横綱の誕生が背景にありそうだと前出のスポーツ紙記者が続ける。

「相撲界では今年の大きなニュースとして新横綱・大の里の誕生が挙げられます。初場所から13場所のスピード昇進であり、24歳の日本人新横綱の誕生は大きな話題になりました。そのなかで、最多優勝回数45回を誇る名横綱・白鵬の退職は大きな痛手となりそうです。

 白鵬は当初は角界を離れる意思はないと名言していましたが、それは大の里の横綱昇進の祝賀ムードを壊さないための配慮だったとも言われています。心の内は決まっていたのではないでしょうか」

 相撲に限らずスポーツの世界で世代交代はつきものではある。またコンプライアンス強化もいたし方ないとしても、相撲ファンとしては嘆かわしい事態なのは確かだろう。