ホルモンバランスの崩れも関係する
「40代以降の女性はそもそも卵巣機能の低下によりホルモンバランスが崩れやすく、さらに体調が悪くなってしまう人も。さまざまな症状がありますが、特に頭痛と倦怠感と冷えを訴える患者さんが多いです。
ホルモンバランスをコントロールするのも自律神経の役割なので、これらの症状を整えるには食事や睡眠、運動の見直しを心がけて」
気軽に生活に取り入れる具体的な対処法として、ジンジャーミルクティーを飲むのも効果的なんだそう。
「ホルモンバランスや自律神経が不調に陥ると、血流が悪くなるのが特徴です。つまり血行が改善することを行えばよいので、ジンジャーミルクティーを飲むことから始めてみてください。
消化を良くするカルダモン、身体を温めるシナモンやしょうが、そして漢方薬の原材料として古くから用いられてきたクローブは胃腸の働きを高めます。身体を温めることで血行が良くなり、頭痛や肩こり、冷えを改善する作用も期待できます。スパイスの効果は温度で変わらないので、暑い日は常温や冷やして飲んでもいいでしょう」
さらにミルクには不安や緊張を軽減し、睡眠の質を高めることが期待できる成分も含まれる。このほか、漢方薬を服用することも選択肢のひとつ。
「肩こりや頭痛、めまいには桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、不眠や疲労感には加味逍遥散(かみしょうようさん)、頭痛などには五苓散(ごれいさん)を服用するなど、それぞれの症状に合わせて服用するのもいいでしょう。
今はドラッグストアやオンラインなど、どこでも漢方を手に入れられますが、使い方によっては逆効果になることもあるので、医師に相談してから服用しましょう」
<ジンジャーミルクティーのレシピ>
血行促進、自律神経を整える!
材料
・紅茶の葉……小さじ2
・牛乳……250ml
・水……200ml
・砂糖……大さじ1
・カルダモン……4粒
・シナモンスティック……1本
・クローブ……2粒
・しょうが薄切り……2枚
【作り方】
(1)鍋に水、スパイス、しょうがを入れ、沸騰したら1分煮る
(2)紅茶の葉を加え、茶葉が開くまで2分ほど弱火にかける
(3)最後に砂糖、牛乳を加え、茶こしを使ってカップに注ぐ

教えてくれたのは……小林弘幸先生●順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者であり、多数の著書はベストセラーに。YouTubeチャンネル「ドクター小林弘幸の健康のカルテ」で健康に関する知識を広めている。
取材・文/植田沙羅