夕食前に30分のウォーキングを

 以上のように食事に気をつけていれば、確実に体重は減っていく。しかし減量後のリバウンドを防ぐには、やはり運動が欠かせないと土田先生。

「食事でタンパク質をしっかりとっても、運動しなければ筋肉が減って代謝が下がり、リバウンドしやすくなります。減量後も蓄えたエネルギーを燃やす場所をしっかり確保することが、リバウンドを防ぐコツですね」

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 とはいえ筋トレやハードな運動が苦手という人も多い。そこで土田先生が患者さんにすすめているのが、夕食前のウォーキング。

「夜はエネルギーを使わない時間帯なので、夕食のカロリーはそのまま脂肪になりやすいんです。そのため運動は夜がベスト。ただし、夕食後だと食べたカロリーが消費されるだけなので、空腹時に身体の脂肪を燃やしておくのがポイントです。

 僕は毎日夕食前に1時間半歩いていますが、きつければ1日30分でもOK。より効果を高めるために、お腹を引っ込めて背すじを伸ばして歩いてみてください。普段使われていない上半身の筋肉が刺激され、エネルギーの消費量を増やせます」

 上半身には大胸筋、腹筋、広背筋など大きな筋肉があり、姿勢を正すだけで脂肪燃焼効果も高まる。

「余力があれば、1日2回、中身の入った500mlのペットボトルを持ってラジオ体操をやってみてください。ラジオ体操は全身運動で血流アップが期待でき、ペットボトルでの筋トレも兼ねるので非常に効率的なエクササイズです。

 年をとると筋肉が固まって血流が悪化し、脂肪がつきやすくなるので、中高年は全身運動で柔軟性を高めることも忘れずに」

 土田先生自身も、腹八分目とウォーキング1時間半を継続し、現在の67歳まで大きなリバウンドをせずに、57kg前後を維持しているそう。

「それでも5〜6kg程度の体重の増減はよくあります。今年も冬に5kg太りましたが、腹六分目に抑えて元に戻しました。増えた体重を1年間放置すると戻りにくくなるため、3か月以内に戻すようにしましょう。

 頑張りすぎは継続が難しく逆効果になることもあるので、たまには食べすぎてもかまいません。3歩進んで2歩下がるでも必ず結果は出ますから」

土田隆先生●よこはま土田メディカルクリニック院長。日本医師会認定産業医、日本体育協会公認スポーツドクター。肥満、高血圧、糖尿病を中心に、患者の生活・ニーズに合った治療を実践。生活習慣改善などをテーマに講演、雑誌、テレビなどの出演多数。
土田隆先生●よこはま土田メディカルクリニック院長。日本医師会認定産業医、日本体育協会公認スポーツドクター。肥満、高血圧、糖尿病を中心に、患者の生活・ニーズに合った治療を実践。生活習慣改善などをテーマに講演、雑誌、テレビなどの出演多数。

土田 隆先生●よこはま土田メディカルクリニック院長。日本医師会認定産業医、日本体育協会公認スポーツドクター。肥満、高血圧、糖尿病を中心に、患者の生活・ニーズに合った治療を実践。生活習慣改善などをテーマに講演、雑誌、テレビなどの出演多数。


取材・文/井上真規子