柳井寛(竹野内豊)の金言

「嵩、こじゃんと絵を描け。好きなものはやればやるばあ、こじゃんと好きになる」

 弟・千尋とシーソーで遊ぶ絵を描く嵩。のぞき込んだ寛は、そのうまさに驚く。さらに、亡き父を含めた家族4人であんぱんを食べる絵を見て「あったかい絵や」と目を細めた後で(3話)

「生きちゅうき、悲しいがや。生きちゅうき、苦しいがや。生きちゅうき、いつか元気になってきっと笑える日が来るがや」

 父を突然亡くしたのぶ。嵩は自分に何ができるかと寛に尋ねると、「そればっかりは、医者にも治せん。時という薬しかない。でも、それが、生きちゅうことやないかえ」。そしてこう続けた(5話)

『あんぱん』5話
『あんぱん』5話

「何のために生まれて、何をしながら生きるがか。何がおまんらの幸せで、何をして喜ぶがか。これや!というもんが見つかるまで、何遍でも何遍でも、必死に考え」

 中学5年生になった嵩。寛が「将来、何になりたいがで?」と聞くと、「まだわかりません」。千尋(中沢元紀)に同じ質問をすると、妻・千代子(戸田菜穂)が代わって医者と答えてしまう。そんなふたりに向けて(11話)

『あんぱん』11話
『あんぱん』11話

「泣いても笑うても、陽はまた昇る。嵩、絶望の隣はにゃあ……希望じゃ」

 嵩は高知第一高等学校に不合格、母・登美子(松嶋菜々子)は再び家を出た。夜になっても帰宅しない嵩をみんなで探すと、線路で眠っていた。嵩は「僕は何のために生きてるんだろう」。のぶに謝罪すると夜が明け、光が差してきた(20話)

『あんぱん』20話
『あんぱん』20話

「人生は喜ばせごっこや」

 嵩が東京高等芸術学校に合格。寛は「清が生きちょったら、おまんの合格をさぞかし喜んだやろうにゃ。嵩、何のために生まれて、何のために生きるか。わしは思うがよ。それは、人を喜ばせることや。おまんのあんなうれしそうな顔見て、わしもこじゃんとうれしかった」。そしてこう続けた(25話)

『あんぱん』25話
『あんぱん』25話