目次
Page 1
ー 戦後80年、天皇、皇后両陛下と愛子さまが沖縄県を訪問
Page 2
ー 約1500人に上る犠牲者
Page 3
ー 両陛下から学ぶ佳子さま

《はじめて3人そろって沖縄県を訪れることができ、うれしく思います。今日は午後に国立沖縄戦没者墓苑で花をささげ、先の大戦において激しい地上戦が行われ、多くの尊い命が失われた沖縄の人々の苦難を思い、犠牲となられた方々に哀悼の意を表しました。

 平和の礎では、国籍を問わず、また、軍人、民間人の別なく、沖縄戦でのすべての戦没者の氏名が刻まれ、今年も新たな名前が加えられていることについての説明をうかがうとともに、眼前に広がる海を眺めながら、平和の火を実際に見て、沖縄の人々の平和に対する深い思いを改めて感じました。

 平和祈念資料館では、沖縄戦に関する実物資料、写真パネル、沖縄戦体験者の証言などの展示を見て、凄惨な沖縄戦の様子や、当時の人々の苦難について、改めて理解を深めました。はじめて訪れた愛子も、苦難の道を歩んできた沖縄の人々の歴史を深く心に刻んでいました。戦争を体験された方や、遺族となられた方々のお話をうかがい、みなさんが経験された想像を絶するような苦難の一端に触れ、深く心が痛むとともに、戦争の悲惨さや平和の大切さについて、思いを新たにいたしました。(略)

 戦後80年を迎える節目の年に、沖縄県を訪れ、沖縄戦で亡くなられた方々や戦争によって苦難の道を歩まざるをえなかった方々に思いを寄せつつ、平和の尊さを心に刻み、平和への願いを新たにしていきたいと思います》

戦後80年、天皇、皇后両陛下と愛子さまが沖縄県を訪問

沖縄県を訪れ、対馬丸の犠牲者の慰霊碑「小桜の塔」に花を供えた愛子さま(2025年6月5日)
沖縄県を訪れ、対馬丸の犠牲者の慰霊碑「小桜の塔」に花を供えた愛子さま(2025年6月5日)

 今年は、戦後80年にあたり、6月4、5日の両日、天皇、皇后両陛下と長女、愛子さまの3人は、先の大戦の激戦地である沖縄県を訪問した。愛子さまが沖縄を訪れるのは初めてのことだった。

 4日午後、3人は、沖縄戦の犠牲者が祀られている、糸満市の国立沖縄戦没者墓苑を訪れ、献花台に白いユリの花を供え、深々と頭を下げた。戦没者の名前が刻まれた「平和の礎」を視察し、沖縄県平和祈念資料館では、戦争体験者らと懇談した。そして、この日の夜、両陛下は冒頭のような、平和への強い思いにあふれた感想を公表した。

 5日、天皇、皇后両陛下と長女、愛子さまはアメリカの潜水艦に撃沈され、子どもたちなど約1500人が犠牲となった学童疎開船「対馬丸」の慰霊碑「小桜の塔」(那覇市)を訪れ、花を供えて拝礼した。その後、近くにある対馬丸記念館で遺品や遺影などを視察した。