申請できる米の量にも大きな差
また、申請できる米の量にも大きな差が。学校などの給食への交付1回に600キロ申請できるのに対し、こども食堂・こども宅食への交付は 120キロに制限されている。しかも、申請から米が届くまでに2か月程度かかり、使用実績の報告も必要とのこと。
「みんなが困っているのに悠長すぎますよね。こども食堂のような取り組みは、そもそも民間ではなく行政がすべきこと。確かに自治体から支給もありますが、指定の場所に取りに行かなくてはならなかったり、支給されたものの流れを細かく記録して提出しなくてはならないのです」
今後の運営にも南谷さんの悩みは尽きない。
「私たちの食堂では1回につき40〜50食、『配食』つまりお弁当を作ります。ですが、コロナ禍の終息を受け、行政から『配食』から会場での『会食』への移行を求められています。しかし、人手や体力の面で、以前のように一度に大人数を集めて食事を提供することはかなり困難ですね。
こども食堂は地域の交流の場ではあるけれども、本来の存在意義や大変さを一切伝えていない『公益社団法人ACジャパン』のこども食堂のCMは、功罪があると思っています」
今年3月末、「こども食堂」の名づけ親で、13年前に東京都大田区でこども食堂を始めた近藤博子さんが自身のFacebookで「こども食堂から一線を引く」という決意を表明し、話題となった。近藤さんも南谷さんと同じく、行政による民間への下請け、押しつけ体制が続くことへの違和感が要因だと述べている。
こども食堂は現在、全国で1万か所を超えたという。小泉大臣も、備蓄米を置いているコンビニではなく、こども食堂を視察するべきではないのか。