『ダウンタウンDX』のあっけなさ
2014年3月に32年の歴史に幕を下ろした『笑っていいとも!』(フジテレビ系)や、同年12月に20年目に終わりを迎えた“スマスマ”こと『SMAP×SMAP』(関西テレビ・フジテレビ共同制作/同系)と比べる声が聞かれる。2つの番組の最終回はどちらも豪華なものだったと前出の放送作家が続ける。
「『いいとも!』には過去の番組レギュラーが大集合しましたが、お笑いは業界のしがらみもあるため、別個に出演が予定されていました。しかし、ダウンタウンの松本人志さんが『とんねるずが来たらネットが荒れる』と口にしたことで、とんねるずの石橋貴明さんが木梨憲武さんと爆笑問題に声をかけ乱入。
そこにナインティナインも加わり、ダウンタウン、ウンナン、とんねるず、爆笑問題、ナイナイが一同に介しました。同じ場には明石家さんまさんも同席しており、当時SMAPメンバーだった中居正広さんが“仕切る”流れとなりました」
「いいとも」最終回ではタモリを中心に奇跡の並びが実現した形だ。対して“スマスマ”は同年初頭から始まった“SMAP解散騒動”の余波を受けての最終回となったため、作り方が難しかったと前出の放送作家が語る。
「放送時間は5時間におよび、過去の名場面を一挙に放送する大総集編となりました。メンバーの生出演はなかったものの、西山喜久恵アナウンサーが視聴者からのFAXを読み上げる生放送パートが挟まれています。さらにラストにはメンバー5人がそろったヒット曲『世界にひとつだけの花』の撮り下ろし映像も流れました。収録日は12月1日であり、この時点でSMAP解散は発表済。それでも視聴者とファンのために、最後の共演シーンが放送されたのです」
名番組が残した伝説の最終回に比べると、ダウンタウンのいない『ダウンタウンDX』最終回の“あっけなさ”がきわ立つのは確かだ。