自身は文化の違いを当たり前に受け入れてきた、とも。

戦争が持つ悲惨な面を伝えないといけない

僕は父がアメリカ人で母が日本人で、文化の違いは幼少期から家族内で体験していました。違って当たり前だという感覚を持てていたのは、恵まれたことだったと思います。そんな僕が生まれることができたのも、桂子さんのように、この時代に愛を求めて海を渡った人がいたからこそ。

 彼女たちがいたから、日本とアメリカの関係ができあがって僕が生まれることができた。そういう文化を、桂子さんやフランク、そのお子さんたちがつくってくれたんだと感じます」

ウエンツ瑛士 撮影/吉岡竜紀 ヘア&メイク/松永香織 スタイリスト/上野真紀 衣装/KotaGushiken
ウエンツ瑛士 撮影/吉岡竜紀 ヘア&メイク/松永香織 スタイリスト/上野真紀 衣装/KotaGushiken
【写真】戦後80年の今だからこそ見たい、ウエンツ瑛士が米兵役を演じる舞台

 最後に今、この作品を演じる意味について問うと、

戦争を経験された方もどんどん少なくなっています。今作は愛の物語ではあるけれど、やっぱり戦争が持つ悲惨な面を伝えないといけない。今、世界で起こっている戦争。あれが、日本では“ついこの間”あったんだということ。それを若い人にも伝えたいですし、伝えなければいけないと思っています

 と噛み締めるように語った。戦後80年の2025年の夏、見るべき舞台だろう。

真夏にやりたいことは?

 ここ最近、夏は舞台をやっているので、夏の満喫方法は、劇場の行き帰りに“あっちいな〜”って言うだけなんです(笑)。あとは、お客さんが「暑い!」って言いながら劇場に入ってくるのを見ることとか(笑)。でもいいのか悪いのか、最近は10月まで暑いじゃないですか。だから舞台が終わってからも、ちょっとは夏を体感できるかな。海より山派なので、山に行きたいなと思ってます

今アメリカに行くなら、どこに行きたい?

 みなさん、今はロサンゼルスにしか興味ないんじゃないですか!?(笑) ドジャースの大谷翔平選手がいてレイカーズの八村塁選手がいて、いいですよね、ロサンゼルス。あと、個人的にはニューヨークにも行きたいです。どうしてもイギリスに行ってしまいがちなので、久しぶりにニューヨークで舞台作品を見たいなと思います

舞台『WAR BRIDE −アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン−』
8月5日〜27日 東京・よみうり大手町ホール
9月6日・7日 兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
9月13日・14日 福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール