山下容疑者宅は家賃3万円弱の単身者用アパート。ここでも周囲の目を引く存在だった。
ドアに退去予定のメモが貼ったまま
「夏場はタンクトップにハーフパンツ姿。外見で人を判断したくないけど、身体じゅうに入れ墨がびっしり入って汚らしかったです。ちょくちょく部屋から出て、タバコを吸っていました」(近所の女性)
喫煙中に誰かが通りかかると、部屋に引っ込んだり、車の陰に隠れた。キレやすい性格で怖がられてもいた。
「1か月くらい前の朝6時ごろ、同じアパートの男性住人と激しく口論していました。荒っぽい言葉遣いでした。夜明け前から言い争う声が聞こえていたので長い口論だったと思います」(近所の男性)
山下容疑者は、この部屋を退去する予定だったらしく、ドアには《6月20日午前10時、退去の立ち会いにうかがいましたが不在でした》と、業者のメモが貼り付けられたまま。
かつては運送業や塗装業に従事していたが、昨夏ごろから無職となり、辞めた会社には消費者金融の関係者とみられる電話が10件ほどあったとされる。
仕事や自宅を失う苦境に立たされ、あるいは自暴自棄になったのか。

《浜松》現場に手を合わせて2人の冥福を祈る常連客の男性
「伊藤さんは事件の数日前から連絡が取れなくなり、山下容疑者に連れ回されていたおそれがあります。熱海市内の宿泊施設で第三者から“女性が助けを求めている”と警察に通報があり、警察官が駆けつけましたが、すでに姿はなかったといいます。伊藤さんが店長に“あいつ、うざいです”などとスマホでメッセージを送っていたのを何らかの手段で知り、激高して凶行に走った可能性があります」(前出・記者)
血痕が点々と残る店舗の前には、缶ビールやコーラが供えられていた。2人ともお酒が好きで、コーラは店長の好物だったという。