目の健康を守る“まばたき運動”

 有田先生が推奨する“まばたき運動”を行いたい。これには上瞼と下瞼を囲む眼輪筋を鍛える効果が期待できる。

方法は簡単で1. 2秒間目を閉じる 2. 軽くまばたきを2回行う 3. ギューッと2秒間目を閉じる 4. 目を開いて、まぶしいときのように半眼にする 4. 目尻と眉の間を指で押し上げ、狐目をしながら、瞼を閉じようとするまでが1回だ。

「1セット5回を朝昼晩行いましょう。パソコンやスマホを使うときは、1時間に1回行うのが良いですね。3では眉や目尻にシワを寄せるのではなく、上瞼を意識して、瞼に力を込めましょう。4では下瞼を上にあげるよう意識、5は上瞼を固定し、強制的に動かす筋トレだと思いましょう」

 人間のまばたきの回数は1日約1万5千回、1分間で20回程度とされるが、パソコンやスマホを使うと1分間に4回ほどまで減ってしまう。

「デジタル機器を使うことで、上瞼と下瞼がしっかりくっつかない不完全瞬目が増えているという報告もあります。これは眼輪筋の衰え、つまり瞼の運動不足が原因です。不完全瞬目が増えると涙の表面が凸凹になり、ドライアイになって視力が低下したりピントが合いにくくなってしまいます。紫外線対策としてだけでなく、日頃からまばたき運動でケアを行い、目の健康を心がけることが重要です」

教えてくれたのは有田玲子先生

眼科専門医・医学博士、有田玲子先生。
眼科専門医・医学博士、有田玲子先生。
【写真】紫外線が脳にダメージを与える仕組み
眼科専門医・医学博士。東京大学眼科臨床研究員や慶應義塾大学眼科学教室非常勤講師を経て2012年に埼玉県さいたま市・伊藤病院の副院長に就任。ドライアイ、特に涙油の専門家で、YouTubeチャンネル「眼科医 有田玲子先生のドライアイ診察室」のわかりやすい解説が好評。

<取材・文/植田沙羅>