血管が若返る食習慣
もうひとつカギになるのが、血管を収縮させ血圧を調整するエンドセリンという物質。
「この物質は、ストレスや喫煙、睡眠不足、塩分のとりすぎなどが原因で、過剰に分泌されると動脈硬化や高血圧の原因になってしまいます。日頃の生活習慣を見直すことは、その第一歩なのです」
塩分過剰摂取のほか、悪い油や糖化物質に注意。
「味つけは塩分に頼りすぎず、だしやねぎ、しょうが、みょうがなどの薬味を活用しましょう。また塩分を排出して血圧を調整するカリウムの摂取も有効。カリウムはほうれん草やバナナ、アボカド、納豆などの食品に多く含まれます。塩を選ぶ際は、精製塩ではなく、カリウムやマグネシウムが豊富な天然塩がおすすめです」
酸化した油やトランス脂肪酸などの悪い油も、血管にダメージを与える。
「サラダ油やコーン油、米油など、オメガ6を多く含む油をとりすぎると、炎症の原因に。逆に魚のDHAやEPA、亜麻仁油、えごま油、オリーブオイルは、炎症予防の効果が期待できるので積極的にとりましょう」
血糖値の急上昇やAGEsと呼ばれる糖化物質を抑えることもポイントだ。
「麺類や丼物など糖質メインの食事やスイーツなどの甘いもの、清涼飲料水などに含まれる果糖ブドウ糖液糖の摂取は血糖値を急上昇させて血管にダメージを与えるので、控えめに。AGEsは焼き鳥や焼き肉、揚げ物、カップラーメンなどに多く含まれているため、偏った食事をせず野菜を入れてバランスのいい食事を心がけましょう」
見た目の若さを保つために中高年世代にいち押しなのが、糖化を防ぐシナモンや抗酸化作用の高いルイボスティー。
「身体の隅々に酸素や栄養を届けているのは、血管の99%を占める毛細血管。毛細血管は加齢や慢性炎症でダメージを受けると、血流が途絶えて機能しなくなり、老け見えの原因に。毛細血管は40代から顕著に減っていくため、中高年世代は抗糖化作用が高く、毛細血管を守ってくれるシナモンやルイボスティー、血流改善に有効なスパイスのヒハツをとってみてください」