愛子さまラオス訪問に“3つの思惑”
そもそも、皇室の方々の外国への公式訪問はどのように決まるのか。宮内庁関係者は次のように明かす。
「宮内庁から“行ってほしい”と申し出ることはなく、お招きのあった国へ行っていただくという形式です。お招きがあった国の中から、ご本人の意見を取り入れつつ、政府や外務省の協議によって行き先を決定します。
皇室の方々による外国訪問の目的は“国際親善”で、政治的な意味合いは持たないとされていますが、実際にはさまざまな思惑や意図が秘められているものです」
愛子さまのラオス行きにも、こうした思惑があると前出の河西准教授は話す。
「ラオス行きが決まった背景の1つに“対中政策”があると見ています。これは愛子さまが、ということではなく国が意識していることです。今、アジアでは中国が影響力を強めています。
日本政府としては中国の周辺国と友好関係を深めることで中国を包囲し、アジアでの発言権や利権を強めたいと考えているのだと思います。両陛下が2023年にインドネシア、今年7月にモンゴルを訪問されたのも、同様の狙いがあると考えます」
さらに、輸出入に関する利権にも期待をしているのではと河西准教授は続ける。
「ラオスは米の栽培が盛んで、輸出にも力を入れています。日本政府は中国に頼らない経済圏を確立したいと考えていると思われ、愛子さまのご訪問でラオスと日本の友好関係がより強固なものになれば、“中国に頼らない米の輸入”の実現に一歩近づくかもしれません」
一方、今回のラオス訪問には「愛子さまらしい目的がある」と前出のつげさん。
「“日本が行う人道支援の現場を視察する”という意味合いもあるのではないでしょうか。皇室とのつながりが深い、青年海外協力隊が初めて派遣された国の1つがラオスです。こうしたつながりから、愛子さまは関連施設へ足を運び、現地で活動する日本人と懇談されると見ています」
愛子さまが赴かれるであろう場所はほかにもあると、つげさんは続ける。
「近年、ラオスでは交通量が増えて交通事故が多発しているそうですが、日本のように救急医療が充実していないといいます。そこで、日本赤十字社がラオスでの救急医療の普及活動に努めているそうです。日赤の職員として、愛子さまはそうした現場を視察されるのではないでしょうか」
今年は日本とラオスの外交関係樹立から70年という節目。愛子さまのご訪問は両国に、より深い絆をもたらすことだろう─。