1位は戦災孤児を描いたアニメ映画
圧倒的な第1位は、スタジオジブリ製作のアニメ映画『火垂るの墓』(1988年)。直木賞を受賞した野坂昭如氏の小説をもとに、高畑勲監督が演出。空襲で親を亡くした14歳の兄と4歳の妹が、ふたりきりで精いっぱい生きる様子が胸に迫る。
「子どもも一緒に鑑賞できる」(神奈川県・52歳・女性)
「戦時下では誰もが非情にならざるをえない現実がよくわかる」(新潟県・69歳・男性)など、幅広い層から支持が集まった。
「空襲体験のある高畑監督が、製作に心血を注ぐあまり公開に間に合わず……というハプニングもあった作品。昨年から190か国以上の国と地域でNetflixの独占配信が始まりましたが、日本では今年も終戦記念日にテレビで放送されます。
公開から40年近くたってもまったく古さを感じさせない絵柄であることも素晴らしい。今後もずっと受け継いでいくべき作品です」
戦後80年の今年、新たな戦争映画も続々と封切りされている。よしひろさんのおすすめは『長崎―閃光の影で―』。日本赤十字社の看護師らの手記をもとに、原爆投下後の長崎の悲劇を描いた物語で、長崎出身の松本准平監督自身も被爆3世である。
「被爆者のケアにあたった看護学生の立場で描かれており、これまでにない視点で引き込まれました。広島の陰に隠れがちな長崎の被害を、多くの方に知ってほしいです」
広島、長崎の原爆の日と、終戦記念日を迎える8月。家族や大切な人と一緒に、映画を通じて戦争を考える日を設けてみてはいかがだろう。

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