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ー “誹謗中傷”に法的措置
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ー 「どこが誹謗中傷?」

 

 8月5日より阪神甲子園球場で始まった第107回全国高校野球選手権大会が、不名誉な形で注目を浴びている。

 大会に出場する広島県の名門・広陵高校硬式野球部内で暴力事案があったことが、SNSの投稿をきっかけに発覚。8月6日に同校が発表した文書によると、今年1月に当時の2年生部員4人が個別に1年生部員の寮の部屋を訪れ、胸を叩く、頬を叩く、腹部を押すなどの暴行に及んだという。

“誹謗中傷”に法的措置

 被害生徒の保護者からは、4名の加害生徒以外にも不適切な行為をした生徒の名前が2名挙がったが、学校側によると不適切な行為は確認できなかったとのこと。後日、加害生徒4名は被害者生徒に謝罪。なお、被害者生徒は3月末で転校している。

広陵高校野球部の集団暴行事件、被害生徒の保護者による切実な投稿(インスタグラムより)
広陵高校野球部の集団暴行事件、被害生徒の保護者による切実な投稿(インスタグラムより)

 広陵高校は2月に事実関係を高野連へ報告。3月下旬に厳重注意を受けたが、大会の出場は辞退しない考えだ。高野連も、広陵側から報告を受けていた内容以外に新たな事実がないことを理由に、同校の大会出場を認めている。

 広陵高校と高野連の判断に納得のいかない人は多く、SNSでは同問題が拡散され、批判的な意見が多数寄せられる事態に。中には、選手への誹謗中傷とも取れるものもあり、高野連は公式Xにて、誹謗中傷があった場合《法的措置を含めて毅然とした対応をとってまいります》と声明を発表した。

「今回の暴行事案に関するネットの反響は大きく、被害者生徒の親もインスタグラムのストーリーで、《くれぐれも実名、顔写真等をSNSにアップすることはお止めください》と投稿するほどになっています。ただ、確かに誹謗中傷はあるものの、処分の妥当性に関する議論や指摘が大多数。それらをまとめて“誹謗中傷”として扱い、聞く耳を持たない広陵高校と高野連に対して、不快感を持つ人が増加しています」(スポーツ紙記者)