ロールモデルは『嵐』

 さらに、音楽的にはロックバンドでありながらも、

「大森さんがジャンルとして公言しているわけではありませんが、時にはアイドル的だったり、K-POPやクラシックのような“魅せ方”もしています。“ロック的”な音楽以外とも距離が近いんです」(布施さん、以下同)

 大森が俳優業に取り組んでいることも“多様性”のひとつ。

「従来のミュージシャンは音楽が中心で、人によっては演技や文筆業などを“やることもある”のが一般的でした。ミセスは、こうした活動もすべて同じ熱量でやって“肩書を超える”のではなく“肩書をなくして”います。これまでにいなかったタイプのアーティストだと思います」

 そんな3人の目指すところはというと、

「数字や記録を打ち立てることではなく“エンターテイナー”として国籍や年齢に関係なく、より多くの人を楽しませたいと思っているようです。昨今の活躍ぶりは、それに近い状態にあると思います」

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 また、テレビ局関係者によると、

「同じく“国民的アイドル”として一世を風靡した『嵐』のような活動の仕方を理想としているようです」

 ミセスの進む道を“王”のように導く大森だが、

「'22年に公開された二宮和也さんの主演映画『ラーゲリより愛を込めて』の主題歌を担当したことをきっかけに、二宮さんとの親交を深めたそうです。もちろん、幼いころから嵐の活躍ぶりは目にしていたでしょうし、二宮さんとじかに接することによって、嵐を“ロールモデル”として描くようになったのかもしれませんね」(同・テレビ局関係者)

 長年、嵐を取材しているメディア研究家の衣輪晋一さんに、ミセスと嵐の共通点を聞いた。

「嵐のすごいところは、世代や時代を問わず普遍的に愛される曲がたくさんあることです。ミセスの場合、デビュー当初はどちらかというと若者向けの“青春ソング”が中心でした。“フェーズ2”以降は大人にも響く曲が増えたように感じます。つまり“普遍的”に近づいたということです。また、寄り添ってくれるような親しみやすさや、聴いていてポジティブになる曲だということも、嵐と通じる部分があると思います」