夫と“こっそり”距離をとる「ミュート婚」

 SNSをやっていると、一度くらいは“ヤバい人”にあったことがあるのではないでしょうか。1度や2度なら「変な人に当たってしまった」くらいで済みますが、ヤバい人になると数年単位で粘着してくるので始末が悪い。X(旧twitter)の場合、こういったケースに備えて、ブロックやミュートという機能が用意されています。変な人にはもう関わりたくない、関係を根こそぎ絶ちたい。そう思ってブロックする人もいるでしょうが、ネットストーキングなどに詳しい専門家によると、ブロックは得策ではないそうです。なぜなら、相手をブロックしたことがバレてしまうから。

 ネットストーキングするような人は、独特の被害者意識を持っていることが多く(自分は被害者だと思っていることが多いそうです)、ブロックされたことがわかると、傷ついた、だから、報復してやるというふうに、攻撃を正当化する傾向があるそうです。その点、ミュートは相手にバレる可能性も低いですし、ヤバい人の発言を目に触れないようにできるわけですから、精神的な消耗も防げると言えるでしょう。

 見たくないものは見ない、自分から積極的かつ静かに距離を取るミュートという機能は、結婚生活にも利用できるのではないかと思うのです。上述したとおり、長渕さんは結婚してから今日まで、女性との噂が絶えることはありませんでした。女性たちとどんな関係であったのか外野は知る由もありませんが、記者に関係を尋ねられると、“師弟関係”とか“修行”というふうに煙に巻き(何の師弟で、何の修行なのか私にはわかりません)、噂になる女性たちは20代から30歳そこそこという共通点があります。

(写真左から)長渕剛、国生さゆり。国生の会見は「保身のために逃げた」とも言われたが、「潔い」との声も
(写真左から)長渕剛、国生さゆり。国生の会見は「保身のために逃げた」とも言われたが、「潔い」との声も
【写真】長渕剛と最初の妻・石野真子とのハワイでの挙式ショット

 30年前から同じ言い訳をし、自分のお子さんよりも若い女性と疑わしい行動を繰り返す人に改心を求めるのは無駄というもの。それなら、自分にとってわずらわしい情報は耳に入れず、気持ちを切り替えて、自分のやりたいことに専念したほうがいいのではないかと思うのです。

 だから、それを卒婚と言うんじゃないの?という人もいるでしょう。私が思うに、卒婚のポイントというのは、夫婦双方が離れることに合意していることを指すと思うのです。たとえば、ものまねタレントの清水アキラさんは60歳をすぎたら故郷の長野で自然に囲まれた暮らしをしたかったそうですが、妻が東京にいることを望んだだめ、ためしに卒婚をしてみたといいます(筆者注:その後、清水さんが寂しさに耐え切れなくなり、東京の妻のもとに戻ったそうです)。

 それに対し、ミュート婚というのは、妻側がこっそり距離を取る(夫は避けられていることに気付かない)ことに意味があると思うのです。なぜなら、距離を取っていることがバレると、自分の自由が侵食されたり、夫から報復される可能性があるから。