完璧を目指さず、適当に頼る

 最近は俳優としても活躍している肥後さん。出演作は、映画『風のマジム』(公開中)、『牙狼〈GARO〉TAIGA』(10月公開)と続く。

「撮影現場にいるときは邪魔をしないように、粛々と演じているという感じですね。芸人にありがちな、演技で爪痕を残そうとして傷痕を残してしまうようなことはないです(笑)」

 自宅での肥後さんは家事を率先して行い、また家族にも家事の役割も決めずに“やりたい人がやればいい”という考えだという。

「完璧を目指さずにね、適当に頼る、というのも大切なんじゃないかな、と」

 価値観の違いやSNSの炎上などを気にかける必要がある現代社会において、肥後さんは仕事でも家庭でも、どこか「肩の力を抜いて生きている」という。

「ゆるくというか、常に頑張っていくのは無理ですからね。やるときはやる、やらないときは何もやらないくらいでいいと思いますよ。オンオフが必要ですよねえ。また勝ち負けにこだわらないことも大事。自分が傷つかないために、時には負けることも必要ですから」

 自分の弱さをさらけ出し、年下にも頼って学ぶ。その肥後さんの考えは、私たちも学ぶべきことかもしれない。そうすれば、どんな悩みも「くるりんっぱ!」と変えられるはずだ。

ひご・かつひろ 1963年、沖縄県出身。「ダチョウ倶楽部」のリーダー。テレビ番組『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!』(日本テレビ系)出演を機に一躍人気者に。現在は舞台、ドラマにも活躍の場を広げ、大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)、映画『風のマジム』(公開中)、劇場版『牙狼〈GARO〉TAIGA』(10月17日公開予定)などにも出演

取材・文/樋口淳