朝ドラ『あんぱん』より 写真提供/NHK
朝ドラ『あんぱん』より 写真提供/NHK
【写真】クランクアップで号泣したのは今田美桜ではなく…

 実は中園さん、スタッフに「こんな母親は見たくないのでは?」と心配された時期もあったそう。

「私も、もう少しよいお母さんにしようかなんて思ったのですが、演出家の方を通して松嶋さんに確認してもらったら、『私にはお気遣いなく。この路線でいってください』というふうに言ってくださったので、そのままでいきました」

出番終了後にに召集された津田健次郎

 SNSなどでは、嵩の養母である千代子への応援の声も聞かれた。

「戸田菜穂さんの演技が素晴らしかったですね。あの時代に子どもがいないというのは大変なことだったと思うんです。だから、自分を責めていただろうなと思い、そういうシーンを書いたのですが、ラブシーンになりました。長年の夫婦の間にも情愛というものはあると思うし、夫役は竹野内豊さんですから、美しく素敵に演じてくれました」

 前半のヒーローは、確かに竹野内さん演じる寛伯父さんだった。

寛伯父さんが亡くなったときには、私自身、寛ロスになってしまいました。寛のセリフには、やなせさんの詩の言葉をできるだけたくさんちりばめています。子どものときに伯父さんから受けた愛情とか言葉とか、そういうものがたぶん、作家・やなせたかしをつくり上げていったものだと思うので」

 嵩の子ども時代といえば、ヤムおんちゃんも外すことはできない。

「ヤムさんは妖精なんです。もう最後のほうは100歳近くになってるはずですが、阿部サダヲさん自身がちょっと年齢不詳ですし。ヤムさんを書くのはテンション上がりましたね」

『アンパンマン』誕生を巡る場面では、津田健次郎さんが演じる東海林編集長の再登場も話題になった。

「のぶの面接シーンを画面でチェックしていたら、のぶの話を聞く津田さんの目がみるみる潤んでいくんです。セリフはないのに、すごく気持ちが入っているのが伝わりました。それで、アンパンマンがあの形になるときに、東海林編集長の力を借りることに。本当のところはわからないのですが、何か大きなことが起きないと顔があんぱんにはならないぞ、と思ったので」

 一度クランクアップした津田さんを招聘したという。