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ー 韓国発!手編みがブーム

 

《咲良ちゃんの編んだニット帽がかわいくて、私も編んでみたくなった》

韓国発!手編みがブーム

 若者に広がる編み物の輪。きっかけのひとつが韓国の人気ガールズグループ、「ル セラフィム(LE SSERAFIM)」の日本人メンバー・SAKURAこと宮脇咲良さんの存在だ。

 これまでに自身で手作りした手編みのアイテムをSNS上でたびたび公開、TWICEのメンバーにも手作りした帽子をプレゼントするなど、ハイセンスな作品の数々が話題に。韓国カルチャーとして人気となった編み物が日本にも飛び火してきた形だという。

最近では、手芸店や100円ショップで毛糸が品薄になるほど。その理由としてはこうして有名人がSNSで編んだ作品をネットでシェアしていることが大きい。編み方も今はネット動画で見ることができるので、見ながら学べるのも編み物のハードルを低くしています

 と話すのは編み物作家のもちだあかりさん。特徴的なのが、毛糸の色。SNS映えを狙ってか、パステルカラーやネオンカラーなどポップで華やかな色合いのものが売れ筋。

韓国毛糸といえば、スセミシルと呼ばれている“スセミ毛糸”が有名です。もともとは食器洗い用のエコたわしを編む用の糸として親しまれていたもの。スセミとは韓国語で濡れた糸、という意味でポリエステル製の光沢感とふわふわした触り心地。

 たわしのほか、バッグやポーチなど簡単に編めるので、ハンドメイド初心者に人気です。韓国土産として購入する日本人観光客も多いようです」(もちださん、以下同)

 日本国内でも100円ショップで“たわし用ヤーン”といった名前で販売されているが、すぐに売り切れてしまう人気ぶり。業界大手のセリアでも関連商品は2024年12月の前年同月比で2倍近くの伸びだという。

ダイソーは毛糸の種類や数が豊富
ダイソーは毛糸の種類や数が豊富

待ち時間を生かした“モバ編み”

 昨今では“モバイル”と“編み物”を組み合わせたモバ編みというスタイルが流行。

編み物といえば家でひとりでのんびりチクチク、というイメージですが、今は移動中や待ち時間を利用し、カフェや公園などいつでもどこでも楽しんでいる人が多いです。SNSで#モバ編みのハッシュタグとともに作品投稿しているのをよく見かけます

 ディズニーランドのアトラクション待ちの間に編み物をする動画も話題に。

 好きな色や太さの毛糸で世界に一つだけの作品になり、無心に手を動かすことでストレス解消にもなる編み物。スキマ時間を有効に使え、ネットを通じて自己表現もできる。

「スマホなどのデジタル機器に慣れた若い世代には、針と糸は新鮮なのかも。編んでいる時間は心地よく、癒しの効果もあると思います」

手軽に作れるアイテムとして推しの写真を入れるためのケースも人気(もちださん作)
手軽に作れるアイテムとして推しの写真を入れるためのケースも人気(もちださん作)

教えてくれたのは……もちだあかりさん●編み物作家。かわいい編み物デザインで注目を集め若者たちからも人気。編み方のレクチャー動画を発信するYouTubeチャンネルでは登録者数は13万人を超える。著書に『はじめてでも「かわいい」がつくれる!かぎ針編みの、あみこもの』(KADOKAWA)

もちださんの著書『はじめてでも「かわいい」がつくれる!かぎ針編みの、あみこもの』(KADOKAWA)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。