1位は若手のリーダー格

 1位は尾上松也(40歳)。

「歌舞伎役者以外にも幅広いジャンルで活躍している。多芸多才な方なので好感が持てます」(神奈川県・男性・34歳)

「バラエティー番組で見て面白い人だと思った。当たり前だけど、演技力もあり、歌もうまいのは素晴らしい」(石川県・女性・35歳)

「ドラマでもいい味を出しているし、顔が好き」(滋賀県・女性・43歳)

 と、42票を獲得。六代目尾上松助を父に持ち、5歳で初舞台。20歳のときに父が急逝し、若くして一門を率いている。

「毎年1月に浅草公会堂で開催される若手の公演『新春浅草歌舞伎』で、若手をまとめる立場としてここ10年引っ張ってきました。人気もあり、実力もあり、若手のリーダー格」(前出・ライター)

 歌舞伎に限らず、ミュージカルやドラマ、バラエティー番組でもおなじみに。

「『刀剣乱舞』を題材にした新作歌舞伎を演出、主演したり、歌が上手でミュージカル『エリザベート』に出演したり、城田優さん、山崎育三郎さんとユニットを結成して公演をするなど、幅広い活躍をされている。若いころから自主公演を立ち上げ精力的に頑張ってきて、ここまで上りつめてきた感がある」(同・ライター)

 マルチに活躍する彼ら歌舞伎役者の真の魅力を味わえるのが歌舞伎の舞台。

 この秋は歌舞伎公演が花盛りで、歌舞伎座では10月に『義経千本桜』が、福岡・博多座と京都・南座では市川團十郎白猿の『市川團十郎 特別公演』が、名古屋・御園座では八代目尾上菊五郎、六代目尾上菊之助の襲名公演も控えている。

「映画だと凝縮して描かれていた主人公たちの成長が、生の歌舞伎では実際に目にできる。例えば白鸚さんのファンは、幸四郎さんの初舞台からご覧になっているでしょう。御園座での襲名公演は親子の『口上』もあり、11歳の菊之助さんの襲名から追いかけることもできる。初舞台からどんどん年を重ねていく過程を見ることができ、リアルな『国宝』が楽しめるのが面白い」(同・ライター)

 この秋は劇場へ足を運び、推しの歌舞伎役者を見つけてみてはいかがだろうか。

<取材・文/小野寺悦子>