子宮筋腫が改善、1児の母に

 '17年、念願だったブランドを立ち上げることに。ブランドのコンセプトである『サステナブル』を打ち出したのは、意外にも“自分を大事にする”という考えからだ。

「自分の健康を取り戻そうと、無農薬のお野菜を選ぶようになりました。それが結果的に、環境負荷の軽減に繋がり、地球の健康にも貢献していることに気づいたんです。実は、ファッション業界は石油産業に次ぐ、世界第2位の環境汚染産業。かなり深刻な問題なんですが、見えづらいこともあって、当時は環境省も把握していない状況でした」

 これをきっかけに環境省のプロジェクトに参加し、アンバサダーを務めるように。

 そんな中、プライベートにも変化が――。

 

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「“もう子どもを産むことは困難”と診断された子宮筋腫が改善され、妊娠できる可能性のある状態だと、先生から言ってもらえたんです。さまざまな思いから崩れ落ちました」

 '22年に35歳で出産し、現在は1児の母になった。

「過去を振り返ると、今の幸せが不思議だけど、毎日が感動で詰まっています。初めての育児は、子どもが1歳半くらいになるまでが、特に大変だと感じました。出産前後は、絶対に仕事を休まなきゃいけない。でも、私は経営者ということもあり、“休むこと”への不安が絶えなかったんです。当時は資金繰りが厳しく、ときに自分の資産をあてることもありました。育児をしながら仕事にもしっかり向き合えるようになったのは、わりと最近なんです」

 今回の取材には、彼女が愛する長女も同席。母の姿を、終始笑顔で見つめていた。マリエには、子育ての中で大切にしていることがある。

「基本的に怒るということはないです。というのも、私はけっこう厳しく育てられたんです。子どもが泣き叫ぶほど怒るのって、結局、恐怖心しか与えない。だったら、子どもと問題解決に向けて、一緒に考えていきたいんです。そして将来は、彼女にも好きなことを学んでほしいと思うし、好きなことを見つけてほしいと思っています」

 今を前向きに生きることができているのは、並々ならぬ努力と、自分や周りへの“愛”を慈しむことだった――。