大谷ら日本人選手の活躍に伴って、日本企業もロサンゼルスに進出している。
“スパイシーキャビア”と呼ばれる日本メニュー
大谷がドジャースに移籍した2024年には、たこ焼きチェーン店『築地銀だこ』がドジャースタジアムに出店。人気を博しているが、新メニューが登場していた。
「8月16日から3日間行われたプレイヤーズ・ウィークエンドというイベントでは、球場内で選手をイメージしたスペシャルフードが販売されていたんです。大谷選手との“コラボフード”は『銀だこ』で、たこ焼きの上に明太子ソースがかかり、ライムが添えられた『#17 明太子&ライム』というメニューでした。6個入りで16.99ドル(約2500円)と日本で食べるたこ焼きに比べると高額ですが、50分待ちの行列ができるほどの人気だったそう。9月から、この『明太子&ライム』は通常のたこ焼きと並んでレギュラーメニューになっています」(在米ジャーナリスト、以下同)
実は明太子は、アメリカで別の名前もあるようだ。
「“スパイシーキャビア”と呼ばれることもあるそうです。魚卵を食べる文化があまりないアメリカ人にもイメージしやすいようにという工夫でしょう。大谷選手をはじめ、日本人メジャーリーガーの影響もあるのか、アメリカでも日本食を扱う店舗が増えてきています。スパイシーキャビアも少しずつ浸透しているようです」
実際に“スパイシーキャビア”として明太子が販売されているのか。
アメリカで明太子や和牛などを販売している『やまやUSA』に聞くと「スパイシーキャビアというラベルをつけたバラコの商品が1つあって、そのほかは明太子として販売しています。今後、日本の食文化が一層広まっていくと思われるので、その波に乗りたいと思っています」とのこと。
どのような経緯で明太子はスパイシーキャビアへと名前が変わったのか。
“名づけ親”は明太子の老舗『かねふく』のようで、同社の企画室に話を聞いた。
「スパイシーキャビアは、ニューヨークの博多料理のレストランで売るための工夫としてつけた名前のようで、明太子を知っているアジアでは“MENTAIKO”、明太子になじみのない欧米では“Japanese Spicy Caviar”として売るなど、地域によって表現を変えることが多いようです」