“キーパーソン”は玉川徹

 特にテレ朝はシニア層を受け止めるのが上手で、『相棒』や『科捜研の女』などドラマの作り方もまさにシニア層向け。

「『モーニングショー』のSNSを見ていると、政治や社会についてなど物申したい視聴者が多いですね。あと、大谷翔平さんが嫌いな人も(笑)。人気やブームに簡単に乗っからず、大谷の話題はフジテレビに任せとけよ! それよりもなぜ大の里の優勝をやらないんだ! と。そういう視聴者層に最適な話題やテーマを提供するのがとてもうまい番組です」

『モーニングショー』に出演する玉川徹(番組公式ホームページより)
『モーニングショー』に出演する玉川徹(番組公式ホームページより)
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 例えば町内会トラブルや火葬場の火葬料金の値上げ問題特集など「ご近所まわり」のテーマが多いのも魅力。

「ハッシュタグなどで自分たちの町内会について熱く語って盛り上がっています。思わず自分たちが語りたくなるテーマが多いのも特徴ですね」

 そして、何よりも外せない“キーパーソン”が、レギュラーコメンテーターの玉川徹。

「何かコメントするたびに、玉川支持派も『違うぞ玉川!』とツッコむ不支持派も、どちらも惹きつけて離さないんです!」

 コメンテーターなどに芸人を起用しないのも視聴者層にとってきちんとテーマに取り組んでいる姿勢に見えるのではないか、とカトリーヌさん。

 これからは、視聴者の中心であるシニア層の心をつかむ番組づくりがテレビ生き残りの道。『モーニングショー』の快進撃は、まさにそのお手本となっているのではないだろうか。


取材・文/住田幸子