
10月4日、自民党の総裁選で自民党総裁に選出された高市早苗氏。女性が総裁になるのは初のことであり、注目を集めている。
その中でも、総裁選での勝利後の決意表明のあいさつが波紋を呼んでいる。
高市早苗「馬車馬のように働いていただく」
「スピーチのなかにあった『馬車馬のように働いていただく』『私自身もワークライフバランスという言葉を捨てる』という言葉に対して、SNSでは賛否の声が巻き起こっ
ているのです。おそらく、高市氏自身と自民党議員に向けての発言であり、国民に尽くすという決意表明だったのでしょう。しかし、“働いていただく”という言葉は自分以外も含める言い方でもあり、大きな波紋を呼んでいます」(全国紙記者、以下同)
10月6日には、「過労死弁護団全国連絡会議」が「公務員など働く人々に過重労働・長時間労働を強要することにつながる」として、“馬車馬発言”の撤回を要請。これに対して、「揚げ足取りではないか」という指摘がSNS上ではあふれかえった。
また、参議院議員の北村晴男弁護士は自身のXで「こんな説得力ゼロの方々の要請など放っておきましょう」という投稿をするなど、この過労死弁護団に対する批判も相次いで起こっている。

「過労死弁護団全国連絡会議は、そもそも'88年に結成された弁護士のネットワークです。高度経済成長期、働き盛りの労働者が脳卒中や心筋梗塞などで死亡するケースが増える一方、労災認定が下りることが非常に困難な状況でした。そのなかで、弁護士が集まって労災認定を求める運動を起こし、“過労死”という言葉を広めたのです。このような過労死と常に戦ってきた団体なので、シビアになるのも自然な流れだと思います」
高市氏自身もの本人の意思表明や比喩的な意味合いで発言されたのだろう。しかし、自民党総裁の発言の影響力は大きい。参政党の代表である神谷宗幣氏は、10月5日広島での街頭演説で、「高市さんの言う通り、ワークライフバランスとかいってるからおかしくなるんですよ」「国が貧しくなっているのにワークライフバランスもへったくれ
もあったもんじゃないですよ」と発言。高市氏の発言を利用し、国民みんなが働くべきだというニュアンスを漂わせた。
「高市さんは、自身の“馬車馬発言”のあとに『皆さんはワークライフバランスをしっかりとってください』とフォローして伝えています。しかし、今回のような騒ぎは、高
市氏の発言を受けて不安に感じている国民がいるということの表れではないでしょうか。実際に、現在SNS上では高市氏の意図に反し、ワークライフバランスを無視する働き方を称賛する投稿も増えてきています。今回のことがきっかけで、ご自身の発言の影響力を自覚されたと思うので、今後は気をつけられると思うのですが……」
初日から大きな波紋を巻き起こしてしまった自民党の高市総裁。彼女自身も休息をとりつつ、心身共に万全な状態で、新しい政治を見せてくれることを期待する。