戦後70年企画のMISIAも長崎出身
適切な対応を裏付けるように、福山は、芸能活動を自粛することもCMを降板することも、映画の公開が延期になることもなく活動を続けている。そして今、注目を集めるのが、福山の紅白出演だ。前出・スポーツ紙記者が話を続ける。
「戦後70年に放送された紅白歌合戦では、特別企画で歌手のMISIAが、故郷長崎の平和記念蔵前から中継で『オルフェンズの涙』を歌い上げました。その年NHKは早くからMISIAの紅白出演を考えていた節があり、紅白の半年前の8月に、戦後70年特集番組『いのちのうた』を放送し、MISIAが長崎市内の子供たちと戦争の記憶について語り継ぐことの大切さを訴えたんです。いい試みだったと思います」
そう戦後70年の紅白を振り返りつつ、前出・スポーツ紙記者は2025年の大みそかを見据える。
「今年は戦後80年。そこで期待されているのが、MISIAと同じ長崎出身で、被爆2世を公表している福山の登場です。福山の楽曲に『クスノキ』という名曲があります。2014年に発売された曲ですが、今年、アレンジをし直して新たにレコーディングして、リリースし、よりドラマティックに仕上がっています。この曲が今年の紅白の目玉になるのは間違いない。
NHKではレコーディングの様子もカメラを回し、高校生や大学生が合唱する様子も含めてこの夏に放送しましたから、MISIAのときとまったく同じ流れです。フジテレビ騒動の火消しがうまくいったことで、『クスノキ』が平和を象徴する歌として紅白で披露される可能性は大ですね」
初期対応を誤らなかったために、SNS界隈でも問題はさほど炎上しなかった。福山ブランドは棄損されず、そのことでNHK関係者も安堵していることを、前出・スポーツ紙記者は何度も力説した。