2作品とも視聴者からの評判は悪くないものの、丁寧に描きすぎているため“タイパ”を重視する現代の視聴者とマッチしていないようだ。

秋ドラマは新人脚本家作品が好調

Tverお気に入り登録者数ランキング4位の日本テレビ系『良いこと悪いこと』は地上波放送と配信のサブタイトルを変えるなど、見逃し配信もかなり意識しています。例えば1話目の地上波のサブタイトルが『6人』に対し、配信は『冒頭1分1人死ぬ』とわかりやすく目を引くものになっていますからね。

 またCMが入るようなタイミングでクリフハンガー(ハラハラさせるような緊迫した場面のまま中断する作劇手法)を入れるなど、縦型ショートドラマを意識した作りになっています」(ドラマウォッチャー)

ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)公式サイトより
ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)公式サイトより
【写真】菅田将暉がマッチョ化! 仲野太賀と

 秋ドラマの見逃し配信が好調な作品は、若手脚本家を抜擢したものが多いという。

お気に入り登録者数が早くも113万人を突破したTBS系『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の脚本を担当する安藤奎さんは、キー局ドラマのメイン脚本を担当するのは今回が初。オリコンの秋ドラマ満足度ランキングで1位になったTBS系『フェイクマミー』も、同局が行う次世代を担う脚本家の発掘・育成を目的としたプロジェクトの第1回で大賞を受賞した作品です」(前出・テレビ誌編集者)

 大物脚本家が“オワコン化”している理由とは。

大物になればなるほど、テレビ局サイドが内容に口出ししづらいですからね。今は良いドラマだからといって、必ずしも数字がついてくる時代でもない。一方、新人脚本家であれば局の意向も汲んでもらいやすく、時代にマッチしたドラマ作りがしやすい。

 最初からSNSでのバズりを意識したり、視聴者が離脱しないような仕掛けや共感する部分を織り込んでくれる人も多いですし。局としても脚本家のギャラを抑えられる分、ほかの部分に予算をかけられるので今後“脱・大物脚本家”は進むと思いますよ」(前出・制作会社関係者)

 このままオワコン化しないためにも、大物脚本家たちの巻き返しに期待したい。