施設選びで重要なポイント
利用者視点で施設の内情はいかんともしがたいが、ひどい施設を避けるには……。
「ホームページで立派な理念を掲げている施設が虐待を行っていたケースもあります。ぜひ施設を見学してください。終末期医療の体制などを聞いてみる。そして何より職員と入居者がどのように接しているか見てください。
例えば食事。嚥下(えんげ)機能が低下している方が多いので、ムース食でも彩りがあるような目で楽しめる食事にしてくれているのか、それをちゃんと嚥下に合わせて食事介助しているのか」
その際、入居者の容姿も見てみるとよいという。
「食べこぼしなどをそのままにしていないか、洋服が清潔かどうか、髪がボサボサになっていたりしないか、爪やヒゲが伸びすぎていないか。人としての基本的な尊厳が守られているかという部分です」
施設の環境については、
「花や飾りつけなど、施設内で季節感のある空間にしているか。部屋は収容所のようになっていないか。においやトイレなど、自分が入居者だったらどう思うか?は大事な視点です」
終のすみかで悲劇が増えてしまっている悲しい現状……。
「人生最期の選択が空いていれば入るといういわば“ギャンブル”になってしまい、そこで虐待受けるなどということがあってはなりません。虐待が増えている実態をまず知ること。そして長生きするほど多くが認知症になりますが、認知症になってから施設を選ぶことはできません。
特養ホームの運営費はそのほとんどが税金と介護保険料です。自分のお金が使われ、親を入れる、いつかは自分も入るかもしれない施設なのですから、そこで起きている問題を、多くの人が“自分のこと”と捉えてもらいたいと思います」
他人事ではない。











