なぜ、このタイミングで映像の世界へ?

 '13年から、 オンワード樫山のメンズブランド『五大陸』のアンバサダーのひとりとしても活躍している。片岡愛之助や尾上松也らとともに、ポスターや広告などで見かけた方も多いかもしれない。

 5歳のときに四代目中村種太郎を名乗って初舞台を踏み、'11年に四代目中村歌昇を襲名した。なぜ、このタイミングで映像の世界へ足を踏み入れようと思ったのか。

「映像に出ることで自分の幅が広がると思ったからです。大おじに萬屋錦之介がいて、昔から映像は見ていましたし、お世話になっている(中村)吉右衛門のおじさんの出演作も見ていました。だからというわけではありませんが、頭の中で潜在的に映像への意識はあったのかもしれません」

 今回のドラマ出演で、これまで何気なく見ていたテレビの見方も変わったという。

「目線の動かし方とか、テレビという枠の中でどういうお芝居をするかというのを考えるようになりました。歌舞伎は基本、まばたきをしないようにするんですけど、ドラマはそうじゃない。そういった部分をより注意深く見るようになりましたね」

 昨今は、若者のテレビ離れが進んでいるといわれる。でも、彼はそんな話とは無縁。むしろ、かなりの“テレビっ子”のようだ。

「とにかくスポーツが好きで、気持ち悪いくらいテレビ観戦しています。少し前は、早朝にスペインサッカーを見てからメジャーリーグ。夜からは録画したNFLの試合を見て、NBAを見るみたいな。土日はそれに加えて昼間にゴルフを見ています。昨年のラグビーW杯ももちろん見ました」