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ー 高市首相は撤回を拒否

 11月10日に行われた衆議院予算委員会で、立憲民主党の西村智奈美衆議院議員が、自民党の高市早苗首相に対し、“奈良のシカ”をめぐる質問を繰り返して波紋を呼んでいる。

高市首相は撤回を拒否

「西村さんは、高市さんが自民党総裁選で、外国人観光客の中にシカを“足で蹴り上げるとんでもない人がいる”などと発言したことに関して、外国人差別ではないかと批判。高市さんに対して発言の撤回と謝罪を求めました。高市さんは地元のボランディアや旅館から実際に聞いた話であるとし、西村さんの要求を拒絶して論戦を戦わせました」(全国紙記者、以下同)

 西村氏は、高市氏の発言がきっかけで外国人に対する批判がSNS上で巻き起こっている点などを批判。議論はおよそ15分にも及んだ。

 だが、ネット上では、「しつこいし、そもそも予算委員会でやることか」「立憲民主党はまともな国会議員がおらんのか。なんでこんな揚げ足取りの低次元で時間のムダなことしかせんの?」といった意見が。

 こうした声が寄せられる理由を前出の全国紙記者が指摘する。

「高市さんの発言が物議を醸したのは確かですが、予算委員会は名前の通り、本来ならば予算案を審議する場所です。しかし、議論される内容は自由であるため、スキャンダルなどが起きたときには、ほとんどの時間が予算案とは別の内容に費やされるといったケースも少なくありません。それでも、高市さんの鹿に関する発言をめぐって15分も議論が行われるのは、“時間と税金の無駄”といった声があがってしまうのも無理はありません」

 西村氏の質問に呆れた声が集まるように、立憲民主党は野党第一党としての存在感を示せないままだ。

「自民党の新総裁に高市さんが選出されると、保守色の強さに難色を示した公明党が連立を離脱しました。野党候補が一本化し、公明党がそこに乗れば政権交代の可能性も取り沙汰されましたが、立憲民主党の野田佳彦代表は首相候補に名乗りをあげませんでした。重箱の隅をつつくような批判を繰り返しているようでは、政権交代の意思がないとみなされても仕方がありません」

 西村氏のシカをめぐる質問は、はからずも現在の立憲民主党の“立ち位置”を示すものだったかもしれない。