これまで日ハムが人的補償で獲得した選手は、2023年1月に近藤健介選手(32、福岡ソフトバンクホークスに移籍)の補償で獲得した田中正義投手(31)。遡って2013年、同じくホークス入りした捕手・鶴岡慎也氏(44)の補償で獲得した投手・藤岡好明氏(40)。
さらに遡って1995年、巨人に移籍した河野博文氏(63、投手)の補償で獲得した投手・川邉忠義氏(57)の3人。なお川邉氏は、NPBにおける初の人的補償による移籍選手であり、松本選手を含めて計5人がFA移籍で巨人入りしたが、日ハムが見返りとして獲得した最初で最後の選手でもあった。
「FA移籍以外にも、2000年代に入ってファイターズと巨人間で成立したトレードは十数回。中には、かつて巨人の看板選手だった二岡智宏(49)や、ドラフト1位だった大田泰示(35)。逆に日ハムからもエース左腕の吉川光夫(37、現・栃木ゴールデンブレーブス)、4番打者の中田翔(36)ら大物の移籍もありました。
中には、やむなく放出に踏み切った“ワケアリ”選手もいますが(苦笑)、互いの選手の受け皿になるような“持ちつ持たれつ”の関係にあるのは間違いないところ。これも、かつて本拠地を分け合った縁ともいうべきか」(前出・スポーツライター、以下同)
16シーズンにわたって巨人と“同居”
オールドファンにとって承知の事実だろうが、2023年から北海道・北広島市のエスコンフィールドHOKKAIDOを本拠地とする日ハムが、2004年に札幌ドームを拠点とするまで、1988年から2003年の16シーズンにわたって使用したのが東京ドームだ。
「今でこそ、巨人が唯一のフランチャイズとする東京ドームですが、当時はファイターズとの共同使用で、時に試合の開催スケジュールをめぐって衝突もあったとも聞きます。そんな同じグラウンドを共にしたチーム同士だけに、当時の球団幹部から受け継がれた“戦友”意識も働いているのでしょう。
それに2011年、巨人入りを希望していた菅野智之(36、ボルチモア・オリオールズからFA)をドラフトで“強行”指名した経緯もあります。もちろんルール上、ファイターズに何ら落ち度はないのですが、そんな“引け目”も両球団の間にはあるのかなと」
同じ釜の飯を食った仲、というわけだ。










