有名キャラを生んだ夫婦の物語が1位に

前作『あんぱん』に出演していた今田美桜と北村匠海(写真/本誌写真班)
前作『あんぱん』に出演していた今田美桜と北村匠海(写真/本誌写真班)
【結果一覧】1000人が選ぶ「よかった」ドラマ大賞ランキングTOP5

 1位はNHK連続テレビ小説『あんぱん』。

「毎日共感できるシーンがどこかにある喜怒哀楽にあふれた作品だった」(東京都・56歳・女性)、「子どもや孫も大好きなアンパンマンの誕生物語を知ることができた」(神奈川県・65歳・男性)、「俳優陣が素晴らしい演技で毎日楽しみに見てました」(埼玉県・62歳・女性)と、134票獲得。

 アンパンマンの作者・やなせたかしさんの妻、暢がモデル。今田美桜がヒロイン・のぶを、北村匠海が夫の嵩を演じ、脚本は中園ミホ。

「アンパンマンという誰もが知るキャラクターがいかにして生まれたのか、みんなが興味を持つ題材だった。今田さんと北村さんの若いコンビがひたむきに演じていたのも好感を持たれた」

 印象的な場面に、嵩たちが餓えのあまりゆで卵を殻ごと貪り食うエピソードを挙げる。

「戦争とそれがもたらす餓えをなくしたいという思いが、アンパンマンを生み出すきっかけになった。戦争に左右されない正義を心に持ちたい、というテーマを全編通して丁寧に描いたドラマでした」

 2025年を振り返り、カトリーヌさんが総論を語る。

「今年は流行語大賞にノミネートされるような大きな話題作がなかった。テーマが限定されがちで、みんなが見るようなドラマがありませんでした。誰もがテレビを見る時代ではなくなり、コアな層に刺さればよしとして制作されたドラマもあった気がします。小粒だけど、絞ったテーマをじっくり描く、そんなドラマも面白い。それを感じた一年でした」

 さて、2026年のドラマは? どんなヒット作、問題作が生まれるか─。

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<取材・文/小野寺悦子>

カトリーヌあやこ 漫画家&テレビウォッチャー。著書にフィギュアスケートルポ漫画『フィギュアおばかさん』(新書館)など