愛子さまが出席されることは強力な外交

 それでも愛子さまが各国の賓客を招いた席に積極的に出席される理由を前出の河西准教授は2つ挙げる。

1つは雅子さまをサポートするという側面があると思います。雅子さまは2004年に適応障害を公表されており、ご体調はいまだ万全とは言いきれません。一方で、雅子さまは外交官として活躍された方。海外公式訪問や各国の要人をもてなす場で成果を発揮することは自信やモチベーションにつながるはずです。愛子さまは雅子さまが国際親善の場で気兼ねなく活躍できるようお支えしたいというお気持ちで同席されているのでは

 もう1つの理由は相手国との友好を最大限に考えられているからだという。

2025年2月は、いとこの佳子さまとご一緒に初めての鴨場接待に臨まれた
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【写真】放鳥するも動かないカモを心配される愛子さま

「以前まで海外の賓客を招いた席には主に両陛下、時折、皇太子夫妻が出席することが通例でした。しかし今は皇太子がおらず、それに値する皇嗣職の秋篠宮さまは今の天皇陛下の直系ではありません。秋篠宮ご夫妻がこうした場に出席されることもありますが、それに加えて陛下の直系である愛子さまが出席されることは強力な外交となるのです。天皇のひとり娘がおもてなしをされることは、賓客に対し“あなたたちを重視しています”という強いメッセージになります」(河西准教授)

 国際親善の最前線に立ち続ける愛子さまの心中には、世界各国との友好を願う思いと母である雅子さまへの深い愛が息づいている─。

河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数