フリーアナウンサーの古舘伊知郎氏は「よくやったと思ってますね」

 フリーアナウンサーの古舘伊知郎氏は22日更新の自身のYouTubeで、同様の話題を取り上げ報道各社の判断を「私はよくやったと思ってますね」と拍手しながら讃えた。続けて「これは国民にとって重要だからもう政治家との固い約束を掟破りしてでも裏切ってでもやらなきゃと。ただバラしてやろうっていうのは駄目だけど、不埒じゃなくて、国民にとって重要な議論を勃発させる機会だと思って俺は出したと思ってますから、今回は」とメディアの宿命、ジャーナリズム精神の持論を展開。

 さまざまな立場からの私見が飛び交うとネット上やSNSで議論が勃発。「そもそも核保有の理由は、相手に核を使わせないこと(中略)反対する人たちが言うような核兵器を使用することを前提としていない」「核兵器保有を口に出すのが、悪のように批判されるのでは、話す事すら出来ない」など、ある種、国防論議の契機となっているようだ。

「今回の発言が単なる幹部の放言レベルであれば、信頼関係を破壊してまで報じる公益性があったのか疑問が残ります。しかし安全保障の観点からは官邸内部で核保有の有無という危機感が共有され始めているという事実が可視化されました。これは一部の政治家が懸念する危険な兆候とも取れますし、議論を始める好機とも言えるでしょう。今回の一連の議論が国民レベルで行われること自体は、民主主義の成熟に必要なプロセスかもしれません」(前出・政治部記者)

 オフレコとはいえ、政権中枢の官邸幹部からこうした発言が出たことの影響は小さくない。被爆80年の節目を迎える2025年、日本の核政策をめぐる議論は新たな局面を迎えているーー。