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ー 狙いは「エリート層」とのコネクション

 日本社会の現状に、「遅れてる! 海外ではありえない!」なんて目くじらを立てている人もいますが……。いえいえ、他の国の皆さんも基本は一緒! そんな、「衝撃」「笑える」「トホホ」がキーワードの世界の下世話なニュースを、Xで圧倒的な人気を誇る「May_Roma」(めいろま)こと谷本真由美さんに紹介していただきます。海外の富裕層が伝統校に子息を入れたがる理由から見える、イギリスと中国の真の関係性とは?

狙いは「エリート層」とのコネクション

 高市首相の台湾有事をめぐる発言で、急速に日中関係は冷え込んでいます。ですが、首相が代われば、こうしたことは起こりがち。例えばイギリスでは、キャメロン政権時代('10年5月~'16年7月)は親中政策に舵を切っていました。キャメロン首相(当時)は、中国系の企業と仕事をしていたこともあり、その縁からか中国寄りの政策を推し進め、中国からの投資を求めたのです。

 そもそも、イギリスはアヘン戦争に勝利したことで、中国を下に見る傾向があり、王室はかなり辛辣です。本来、あまり仲良くない相手ですから、キャメロンが退陣すると関係性はフラットに戻ります。それどころか、中国企業や中国人が、イギリスの土地や不動産を次々と購入していたことで、国民感情は「ノー中国」という旗色に変わってしまいました。しかも、この連載ではもはや常連のお騒がせさんとなっているチャールズ国王の弟、アンドリュー元王子と、中国政府のスパイ行為が疑われている実業家との関係が問題となったこともありました。

 意外に思われるかもしれませんが、イギリスでも日本と同じように、外国人でも土地や不動産を購入できます。居住権や市民権がなくても、住宅や商業用の土地といった物件を購入でき、投資用として所有することも可能です。不動産はフリーホールド(永久的な所有権)とリースホールド(一定期間の借地権)の2種類あるのですが、共に外国人でも取得できます。そして、こうした土地をたくさん所有しているのが、貴族といった由緒ある家系の方々、エリート層です。特にロンドンの中心部は、ほとんど貴族が所有しているくらいです。

オックスフォード大学
オックスフォード大学

 つまり、貴族たちと友好的なつながりが持てれば、外国人でも彼らが持つ土地を「借地で借りる」ことができる。ということで、中国をはじめ海外のさまざまな富裕層は、エリート層に近づくために、エリート層の子どもたちが入る学校に、自分の子どもを入学させます。なお、現在のイギリスの伝統校は、その多くが資金難ですから、お金を持っている保護者は国籍に関係なくウエルカムなんですよ。

 ちなみに最近、日本の有名人たちが子息のイギリス留学を自慢していますが、このようにお金を積めば入れるし、授業についていけるように英語の補習もしてくれているんです。

 そして、催しなどがある際に、海外の富裕層は子どもを介して、その親であるエリート層と親しくなり、コネクションを構築するというわけです。潤沢な資金を持っている海外の富裕層からのアプローチは、イギリスのエリートたちにとっても悪い話ではありません。実は日本の私立学校でも、似たようなことが起きているようですけどね……。

谷本真由美 たにもと・まゆみ 1975年、神奈川県生まれ。著述家。元国連職員。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。X上では、「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いポストで人気を博す。著書に『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズ(ワニブックス【PLUS】新書)など著書多数。
谷本真由美 たにもと・まゆみ 1975年、神奈川県生まれ。著述家。元国連職員。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。X上では、「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いポストで人気を博す。著書に『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズ(ワニブックス【PLUS】新書)など著書多数。