謎が多いからこそ魅了される!?

 一方、江戸末期から幕末に目を向けると、「ジョン万次郎」「伊能忠敬」といった面々が名を連ねている。そんな中、島さんが注目したのが、土佐の足摺岬沖で遭難し、アメリカに渡ったジョン万次郎である。

「アメリカで英語はもちろんのこと、数学や測量、航海術、造船技術を学んだ万次郎は、帰国後に活躍。軍艦教授方、遣米使節団の一員として咸臨丸に乗り込み、明治維新に参画。爪痕を残しています。バイタリティーあふれるパイオニア。その行動力には、目を見張るばかりです。

 大河ドラマでは'08年『篤姫』で勝地涼、'10年『龍馬伝』でトータス松本、'18年『西郷どん』で劇団ひとりが熱演。俳優・北村一輝は万次郎役をぜひ演じたいと公言してはばかりません」(島さん)

 そして44票を獲得し、ダントツの1位に輝いたのが、「邪馬台国」の女王・卑弥呼。『魏志倭人伝』に伝わる、3世紀ごろの倭の国を治めていたといわれる謎多き人物だ。

人前には姿を現さず、弟にしか姿を見せなかったといわれている謎の多い卑弥呼。ミステリアスゆえに魅力があるのかも
人前には姿を現さず、弟にしか姿を見せなかったといわれている謎の多い卑弥呼。ミステリアスゆえに魅力があるのかも
【結果一覧】大河ドラマで見たい歴史上の人物、1位は「謎多き人物」

「日本の起源をひもとく、謎の人物だから」(東京都・男性・67歳)

「史料が少なく難しいかもしれませんが、古代を舞台にした女性が主役の大河ドラマを見てみたい」(大阪府・女性・53歳)

「歴史上でいちばん謎めいた人だから」(大分県・女性・66歳)

 といった声が寄せられた。

 シャーマンとしてもその名を残す神秘的な女王・卑弥呼こそ、古代史のロマンに彩られた真の女王。視聴者の心をつかんで離さなかったのもうなずける。しかし大河ドラマとして成立するのか、気にかかるところ。

「邪馬台国をめぐっては江戸時代から、九州説と畿内説に分かれ論争を繰り返してきました。邪馬台国の場所すらはっきりしない主人公を大河ドラマのヒロインとして取り上げるのは、やはりハードルが高そう。

 '16年から'18年にわたって放送された綾瀬はるか主演の『大河ファンタジー 精霊の守り人』(NHK)シリーズのような形なら、可能性があるかもしれません」(島さん)

 大河ドラマの主人公への道は、やはり厳しいものだ。実は大河ドラマの主人公決定には、あるプロセスがあると島さんはこう続ける。

NHKには全国47都道府県から、大河ドラマの主人公に関する企画書が山のように寄せられ、プレゼンや審査のプロセスを経て、晴れて主人公が決定しています。ランキングに名を連ねていない豊後の国の名将・立花宗茂や、下克上の先駆けとなった北条早雲にもこれからチャンスは十分にあると私は見ています」

 '63年に『花の生涯』で産声を上げた大河ドラマ。戦国の三傑、維新の元勲ばかりが取り上げられては新鮮味に欠ける。ジョン万次郎や立花宗茂、北条早雲のような新たな主人公の登場こそ、待たれて久しいのではないか─。

大河ドラマ主人公で見たいランキング 全国40代~60代の男女300人にアンケート調査
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取材・文/KAPPO INLET GROOVE