自由を選んだ主人公たち
50年前に社会に縛られるのを嫌い、自由を選んだ主人公たちだったが、年を重ねるに連れ、否応なく社会や家族に縛られ、自由を失っていた。そんな彼らが最後に望むものとは? 観る人によっては男の身勝手に映るかもしれないが、そのメッセージが響く人も多いだろう。
さらに50年前の連ドラを観ていた人が、無条件で感動してしまうシーンもある。少しネタバレになるが、50年前と全く同じロケ場所で、中村、秋野、田中の3人が同じようにボールで戯れるシーンがあるのだ。こんなことが出来る作品が他にあるだろうか。私は幸運にも4人にインタビューする機会を得たが、元気そうな姿を見て、50年後にこのメンバーが集まれて映画を作れたそのこと自体に、感動させられた。
しかも3人の風貌は50年分歳を取っているのに、表情は変わらず無邪気なのだ。そのシーンを見た瞬間、私は感動で鳥肌が立ってしまった。それぞれが懸命に生きてきたこと、そして過ぎてしまえば50年の月日はあっという間だったことなど、さまざまなことが無言のうちに伝わってくるからだ。
そして「人生の終盤くらい、少しわがままになってもいいから、自分のやりたいことを追い求めてもいいんじゃないか」、そんなメッセージを大ベテランの俳優たちが身をもって伝えようとしてくれていることにも感動するのだ。
シニア映画と決めつけることなく、ぜひ多くの世代に観ていただきたいし、願わくば60年目、といわず55年目でもいいからまた、その先の人生を見せてほしい。
古沢保。フリーライター、コラムニスト。'71年東京生まれ。「3年B組金八先生卒業アルバム」「オフィシャルガイドブック相棒」「ヤンキー母校に帰るノベライズ」「IQサプリシリーズ」など、テレビ関連書籍を多数手がけ、雑誌などにテレビコラムを執筆。テレビ番組制作にも携わる。好きな番組は地味にヒットする堅実派。街歩き関連の執筆も多く、著書に「風景印ミュージアム」など。歴史散歩の会も主宰している。











