テレビ朝日まで「敵に塩」

 結果オーライということだが、Snow Manに出場を断られたことがいい方向に向かった、と語るのはNHK関係者。

「制作サイドは“目玉”を用意しなければ、と焦りはあったようですが、内部では逆に“旧ジャニーズ”に依存するのはどうなのかという意見もありました。とはいえ、人気があるグループの出場は願うところでもあったので、結果的にバランスが取れましたし、特定の事務所に忖度していると思われることもなく、いいラインナップになったと思います。放送前から内部では“今年は行けるんじゃないか”という声も出ていましたし、ケガの功名というわけじゃないですがね」

 そして、紅白といえば、視聴率を少しでも奪おうと他局が対抗番組を放送することが習わしとなっていた。年末になると紅白にぶつける裏番組の番宣が盛んになるのだが、ここ数年、静かになった感がある。

「たしかに、紅白をそれほど意識しなくなりました。以前は紅白に少しでも肉薄できるように視聴率が獲れそうな企画を考えろ、なんて言われました。視聴率のことを考慮しないわけではありませんが、番組を録画や配信で見るようになり、視聴率そのもの意味合いも薄くなったように感じます。最近は年末特番といっても特に紅白を意識することはせず、作りたい番組をつくるようになったと思います」(民放プロデューサー)

 さらに驚いたのは、1月1日に放送された『羽鳥慎一モーニングショー新春特大スペシャル』(テレビ朝日系)だった。

「特番ということもあり、またこれといったニュースもなかったからとはいえ、紅白の名場面をおよそ35分に渡ってダイジェストで放送したのには驚きました。しかも、歌唱シーンだけでなく、取材に来ている記者たちがNHKホールの廊下で出演者に声を掛けている場面もあって、紅白の“裏”を見ることができて面白かったですね」(同・民放プロデューサー)

 それだけではなく、元テレビ朝日社員で同番組のコメンテーターを務める玉川徹氏は、ダイジェスト映像を見て「力の入りようが違うよね、この番組は他と比べて。すごいね。すごい番組だと思う」と絶賛していた。

 前出の民放プロデューサーは、「前代未聞です。長い間、紅白は民放にとって、なんとしても落城させたい難攻不落の城であったわけですから。敵に塩を送るみたいな話で、テレ朝の懐の深さに皆感心していますよ」と話す。

 “古くて新しい”紅白の誕生となったわけだが、不要論や打ち切り説も出なくなり、他局からも称えられほどになったいま、名実ともに“国民的番組”となったと言えるのでは――。