雅子さまから愛子さまへ
こうした慈しみの心は、代々受け継がれてきたものだ。
「'93年、当時、皇太子だった陛下とのご結婚にあたって、雅子さまは一般の結納にあたる『納采の儀』に着物で出席されました。その際の帯は、昭和天皇の后の香淳皇后から美智子さまへ、そして雅子さまへと譲られた由緒あるものでした。世代を超えて受け継がれていることがわかります」(つげさん)
親の着物を子が受け継ぐのは日本の伝統的な習慣だが、洋服を代々着用するというのは珍しい。ファッションジャーナリストの日置千弓さんは、皇室で洋服の継承文化が顕著になった背景をこのように解説する。
「美智子さまの時代はオートクチュールが主流で、一着一着がその方のためだけに作られた特別なものでした。
一方、雅子さまは外交官として活躍され、機能的で洗練された既製服をスマートに着こなす現代的な感覚をお持ちでした。いわば雅子さまが、上質なものを代々大切に使うという今の時代に通じる合理的な精神を、皇室に持ち込まれたといえるでしょう。そこに現代の“サステナブル”な意識が重なり、母から子へと受け継ぐ新しい継承文化が生まれたのではないでしょうか」
洋服を受け継ぐこと自体、日本独自の文化だという。昨年の「歌会始の儀」の愛子さまのドレスについては、
「愛子さまと雅子さまは体形も異なるので、おそらくお直しをされているはず。雅子さまは大ぶりのパールを合わせて華やかに、愛子さまは小ぶりのパールで初々しく。同じ一着でも、着る人によって雰囲気が変わり、新たに生まれ変わったような印象を与えてくれます」(日置さん)
日置さんは、このドレスからも、雅子さまと愛子さまにこんな会話があったのではないかと推察する。
「おそらく宮内庁ではお洋服や小物を写真などで整理されているのでしょう。“お母さまの持ち物で使えるものはないかしら”と親子で相談されるお姿を想像すると非常に微笑ましいですね」











