これまでの自民党は減税策に消極的だった。
「石破茂前首相も、2025年5月に国会で物価高対策として消費税率の引き下げが論じられた際“税率を変更すると小売店のレジやシステム改修などで実施まで時間やコストがかかる”と否定的でした」
とはいえ、国内の物価高は深刻な社会問題となっている。
「長年、1ドル100円前後で安定していましたが、2022年以降は円安が一気に進行し、今では1ドルあたり150円から160円と価値が下落。加えて世界的に石油や天然ガスなど燃料価格の高騰も重なって輸入品の価格が上昇。その結果、米や野菜、菓子などの食品や製造品、輸入品に至るまでありとあらゆるものの価格が上がっています」
自民が減税策を出したことで、ほぼすべての政党が消費税減税を公約として打ち出すこととなったが、これらの政策には効果があるのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんに話を聞いてみた。
「私は消費税減税に賛成です。総務省によると2025年は1年間で食料品などの物価が約3%上がったというデータもありますし、食品の値上がりによる食べ盛りの子どもたちや、貧困層への影響は甚大です。8%が0%になるということは単純にスーパーやコンビニで買う食品が約1割安くなるので、庶民の生活への恩恵は大きいと思います」
「公約は守られない」ともいわれるが
緊急時の減税は、自然な政策の一つという。
「コロナ禍で世界経済が停滞していた2020年、イギリスもドイツも消費税を下げるなどして景気刺激策を打ち出しました。一方の日本は2019年10月に消費税を8%から標準税率10%に増税して、そのまま。国民が疲弊しているときに上げっぱなしはおかしい。また、消費税を上げた6年間で約20兆円も税収は増えています。食料品の税を0%にした場合、年間約5兆円の税収が減るといわれていますが、2年間実施しても10兆円。多く徴収したぶん、国民に還元すべきです」(荻原さん、以下同)
選挙公約は往々にして守られないともいわれるが、今回はそうでもないようだ。
「ほぼすべての政党が消費税減税を訴えていますし、高市首相は就任して3か月の間で予定どおりガソリン税の暫定税率を廃止して、所得税の非課税ラインを178万円まで引き上げるなど、公言したことは一応、実施しています。消費税0%に2年間という期限を設けたのも、物価高を落ち着かせるのに必要な期間であると同時に、具体的な税収減を見込んで打ち出したのでしょう」











