消費税減税策に期待を寄せる荻原さんだが、同時に不安も抱いている。
「自民党はリベラル寄りの公明党と離れてから、強硬的になりつつある印象を受けます。“台湾有事発言”以降、日中間もギスギスするなど外交面に不安を覚えます。一方、恒久0%を打ち出している中道改革連合にしても、代表の野田佳彦さんは首相を務めていた2012年、当時5%だった消費税率を段階的に引き上げるという法案を承認した張本人。どの口で減税を訴えているんだと思う人は多いのではないでしょうか」
消費税以外にも着手する問題はたくさんある。
「国民の生活をいちばん圧迫しているのは、健康保険料や年金などの社会保障費ですから、それらに着手しない限り国民の生活は改善しないかもしれません。減税も大事ですが、若い人たちが稼げるようにしなくては日本の将来は不安定なままかもしれません」
消費税減税を理由に他で「増税」も
青山氏も、消費税減税に伴うリスクを警戒している。
「結局、物価高の大きな要因は円安なのですから、いくら消費税率を下げても物価が上がることもあります。ほかにも、税収減を理由に、医療費や年金など社会保険料をさらに上げてくる可能性も否めません。消費税減税が必ずよい結果を招くというわけではないと思います」
今回の選挙では、消費税以外の視点も持つことが大切なようだ。
「消費税減税は恒久的か2年か、軽減税率だけなのか全体なのかの違いはあれど、どの党も似た公約を掲げていますから、争点としては薄まっています。やはり問われるのは高市さんの掲げる“積極財政”を支持するか否かだと思います」(青山氏、以下同)
積極財政とは、政府が景気の下支えや成長投資を目的に、大きく財政出動するという政策姿勢。需要を生み出す一方、政府支出の拡大により財政悪化や赤字国債が増えることで、さらなる円安を招く危険性もある。
「国民民主党や参政党に流れた票を取り戻せば、自民党は次の衆院選で議席を伸ばす可能性は十分にあります。このような状況だからこそ、有権者それぞれが、自分の思いを託せる政治家を見極めることが大事だと思います」
大きな関心を呼ぶ消費税減税策だが、その裏では政局を巡るさまざまな思惑が交錯している─。











