12球団監督会議による「他球団との接触禁止」提言が、ファンの間で大きな話題を呼んでいる。仲良しムードが漂う昨今のグラウンドに、かつての勝負師らしい“厳しい掟”は再び定着するのだろうか。
わざわざ外野に行って挨拶する選手も
「監督1年目ではありましたけど、非常に気になっていたところ。作戦面だったりでグラウンドで選手同士やコーチ同士の会話が活発になりますと、よくないなというのは12球団の監督で統一したところではありますね」
阪神・藤川球児監督が1月20日、12球団監督会議に出席。ソフトバンク・小久保監督から提言のあった「グラウンド上で他球団の選手、コーチ同士の会話が目立つ」という意見に賛成し、冒頭のように考えを述べた。
特にDH制のないセ・リーグは細かい作戦が多い。藤川監督は「ファンから見たところも非常によくない。揺れ動きを楽しみたいわけですから」と続けた。この“ファン目線”を意識した発言は、昨今の「球団の垣根を越えた交流」に対する強烈な牽制とも受け取れる。
その一方で、他球団選手との合同自主トレは今や当たり前となっており、日刊スポーツによれば、ソフトバンク柳田悠岐の元に日本ハム清宮幸太郎やロッテ安田尚憲が集う「柳田組」、巨人の甲斐拓也を中心に阪神、DeNA、ヤクルトなど各球団の捕手が集結する「甲斐組」、ヤクルトに移籍した青柳晃洋が阪神の村上頌樹らとともに行う「青柳組」、中日・上林誠知と阪神・森下翔太、ロッテ・西川史礁の「上林組」などがあるといい、組み合わせは多岐にわたる。
「球界のレジェンドである落合博満氏いわく、『最初に始めたのはおそらく俺』だそう。巨人にいた長嶋一茂から『教えてほしい』と請われて始めた時は、球界の重鎮だった野村克也さんから『いかがなものか』と猛烈に批判され、当時は『協約違反ではないか』とまで議論されたほどです。ともあれ、最近のプロ野球は試合前から敵味方が笑顔で話し込むシーンが目立ちすぎるのも事実。わざわざ外野まで出向いて挨拶を交わしている選手もいます。
以前、オリックスでコーチを務めた佐藤義則氏も指摘していましたが、ライバルに技術を教えることは自軍の首を絞めることになりかねない。昔はチームメイトですらライバルで、手の内を教え合うことすら避けたものです。今はSNSで簡単に連絡が取れるし、WBCで仲間になれば情も移る。移籍組が架け橋になって交流が広がる側面もありますが、グラウンドは仲良しグループの社交場ではなく勝負の場であるべきだという藤川監督の主張は正論ですよ」(スポーツ紙記者、以下同)
この“馴れ合い”の議論については、オフの交流が刺激になってライバル心が強まるとする肯定派もいるが、現場側からすれば、情報漏洩の心配も含めてたまったものではないというのも容易に推察できる。
「乱闘シーンが少なくなったのも、選手間の“馴れ合い”の証左と言えるかもしれません。“闘将”と呼ばれた星野仙一さんが『グラウンドは戦場だ』と説いたように、小久保監督や藤川監督の提言は、失われつつある緊張感を呼び戻すきっかけになるのでは」
ネット上でも議論は百出。「試合中に笑顔で話すのはさすがに違うでしょと思う」「挨拶くらいはいいのでは」など賛否が分かれている。
そもそも「野球規則」には、〈ユニフォーム着用者は、次のことが禁じられる。(略)監督、コーチまたはプレーヤーが、試合前、試合中を問わず、いかなるときでも観衆に話しかけたり、または相手チームのプレーヤーと親睦的態度をとること〉とある。剥き出しの闘争心が生み出す“真剣勝負”をファンも望んでいるのではないだろうか。
















