成否を分けるのは人間関係
実際に移住をした人で、働き口も決まったのに“落とし穴”があったという例も。
Aさん(62歳・元会社員)は、定年を機に山々の連なる田舎への移住を決意。観光客の接客業で働き口を見つけ、ひと安心して移り住んだ。
しかし、実際に働き始めると“シニアだから体力的に無理のない範囲で”と軽作業を想定していたが、繁忙期には朝7時から夜8時まで立ちっぱなしの接客業務。さらに冬季は仕事が激減し、収入が夏の半分以下に。
そこまでのシミュレーションができておらず後悔したという。さらに、職場の人間関係も想像以上に濃密で、地元出身者ばかりの中で“よそ者”として扱われることにストレスを感じ、わずか1年半で都会に戻ることを決めた。
移住前に現地で短期アルバイトや職場見学をしておけば、こうした現実が見えていたかもしれない。
新天地での生活に夢が膨らむ移住だが、すべての人にハッピーな暮らしが待っているというわけではない。成功のカギは何なのか。
「コミュニケーションがカギを握ると思います。地域は共同体で、濃密な人間関係やしきたりがあったりするもの。移住後は積極的に交流を持つなど、自ら溶け込む努力も必要です。早く地域になじむために、お祭りやイベントに参加するなどコミュニティーの一員に加わるのも手ですね」
憧れだけで移住すると、こんなはずじゃなかった……ということになりかねない。事前の情報収集をはじめ、移住相談や移住体験などを行っていれば、そうした失敗は避けられることも多い。
「子育てや、親の介護、定年退職など、移住は人生のターニングポイントと重なるケースが少なくありません。ふるさとは自分が生まれ育った場所だけではなく、人生後半から腰を据えて暮らす場所も“第二のふるさと”となりえます。どうしたら豊かに生きられるかを考え、じっくりその地を探しましょう」

















