自宅周辺では“要注意人物”
一般的に、ママチャリで1キロ走る所要時間は4分前後とされる。犯行に使われたのはスポーツタイプで、3分前後が目安になる。電動アシスト付きではなかったとみられ、単純計算すると休憩なしで50キロ150分だ。
自宅から約5キロ先には、つくばエクスプレスのつくば駅があり、国内最大級の研究学園都市の拠点として駅前にバスターミナルもあり往来は多い。
「なぜ、わざわざ50キロ以上離れた水戸で犯行に及んだのか捜査中です。犯行前の足取りは、立ち寄り先があった可能性なども否定できないため、少なく見積もっても片道50キロ以上走ったとみています。Aさん以外の被害者との関連も捜査しています」
容疑者は独身で、古びた一軒家でひとり暮らし。自宅周辺では“要注意人物”として警戒されていた。仕事をせず、日常的に何をやっていたかというと─。
「自転車をしゃかりきにこいで、ものすごいスピードを出しているんだよ。何かに取り憑かれたようにビューッと走り抜けていくからおっかない。必ず自転車に乗っていて、歩く姿は一度も見たことないな。どこに行っているのかは知らない」(近所の男性)
自宅周辺には、車1台通るのがやっとの狭い道や農道が少なくない。容疑者はお構いなしに速度を上げるという。
「カーブでもスピードを落とさず、対向車を確認せずに曲がり角に突っ込むんです。周辺の家から住人が道に出てくるかもしれないし、近所では“怖いね”と話していました。周りをまったく見ないんです」(近所の女性)
別の年配の女性住民は、自転車のペダルをこぐ音に過敏になっていた。
「車よりもスピードを出して競輪選手みたいだった。いつもイライラしていて不機嫌そうなの。体格がよくて、昼も夜も自転車をギコギコこいで、目をつり上げて毎日爆走していましたよ。
道を歩いていてギコギコと音がして“来たな”と思ったら、私はすぐ端っこに避ける。逃げ遅れたら轢き殺されちゃうし、避けきれずに倒れたら骨が折れちゃうかもしれない」
地元では、人を殴るなどの行為は確認できず、暴言を吐くこともなかったという。一方で、周辺住民に挨拶はせず、無視するように接点を持とうとしなかった。地域の自治会を脱会し、年に1度の夏祭りにも顔を出さない。冬場はいつも、犯行時に着用していた黄色いダウン姿だった。
こじらせ中年のルーツをたどると、小学生のころまで遡る。土浦市から転居してきて母親、母方の祖母、兄と4人で暮らし始めた。一家には暗い気配が漂っていた。











