目次
Page 1
ー “救世主”のような存在だが…

 2月11日、介護施設における有償ボランティアに関する内容がSNSに投稿され、物議を醸した。

“救世主”のような存在だが…

 発端となったのは、ある一般ユーザーによる「介護福祉の有償ボランティアサービス、酷いです。画像の待遇を見てください。1500円/日ってありえないでしょう」という悲鳴にも似た投稿だ。添えられた画像には「【学生さん大歓迎】デイケア 洗い物・配膳 11:00~13:00 1500円/日」といった具体的な募集内容が記されていた。

 近年、介護業界で広がりを見せているのが、無資格・未経験でもスキマ時間を使って施設を手伝えるマッチングサービスだ。

「こうしたサービスは、食事の配膳や掃除、レクの手伝いといった周辺業務を地域住民が担うことで、専門職が本来のケアに専念できる環境を作ることを目的としています。人手不足に悩む施設側にとってはまさに“救世主”のような存在で、実際にこの仕組みをきっかけに介護職に就くケースもあり、自治体や国もモデル事業として後押ししています」(介護現場に詳しいライター)

 しかし、本来はポジティブなはずの仕組みに対し、SNS上ではその“謝礼”の低さに驚きを隠せない声が目立った。

《日給じゃなく時給かと思った……時給換算だと750円、無理》
《25年前の居酒屋やゲーセンのバイトより安い。やりがい搾取では》

 たしかに、2時間で1500円という謝礼を時給に換算すれば750円。東京都の最低賃金が1200円を超える現在、その差は歴然だ。前出のライターは「あくまで『有償ボランティア』という互助の枠組み。双方が納得した上での契約であれば、金額そのものに法的な強制力はない」と話すが、介護現場に詳しい淑徳大学総合福祉学部の結城康博教授は懸念点もあると話す。

「学生などが気軽にボランティアを体験できるというメリットは大きく、また、人材不足に悩む施設も助かるのは事実です。ただ、気になるのは金額の低さでしょう。ボランティアとはいえ、謝礼があまりに低いと、働き手の『質の担保』をどう継続していくかという課題が出てきます。スキマバイトのサービスであれば最低賃金が適用されますが、それらとのバランスをどう取るかが今後の課題だと言えます」

 いずれにせよ、介護施設の深刻な人手不足を解消することが喫緊の課題であることは間違いない。